材木座海岸でのバーベキューの匂いは、少し離れている住宅地にまで漂っていました。そして大声で話す人が多いので、波の音さえ聞こえない雰囲気です。あの桜の季節になると駅まで酒の匂いが漂う井の頭公園周辺のようです。
そのうちにバーベキューは社会問題になってしまうのではないかと思っていました。
なんといっても、日本は人口に比べてヒトが活動できる場所が狭いですからね。
バーベキューにも、「調理時には煙や匂いが大量に出るため、専用の設備や換気装置の煙突などがない場合は、大抵野外で行われる」と書かれています。
ただ、1970年代ごろからの「タバコの問題」のように「嫌煙権」という議論での問題解決方法は、匂いを客観的に表す方法がないため、かえって対立を深めてしまうこともありますね。
最近では海岸、川岸、あるいは公園などにもバーベキューができる場所が増えているのですが、水辺で静かに時間を過ごしたいと思って訪れた場所が、匂いと喧騒の場所になっていることもあり、狭い日本ではなかなか難しいですね。
東南アジアで舟を借りて離れ小島に行ってバーベキューをしたのは贅沢な時間だったと思うとともに、あれもまた周囲との距離を保つ方法だったのかもしれないと思い返しています。
*「バーベキューを行う場合は相応の知識と近所への配慮が必要である」*
Wikipediaの「バーベキュー」に「社会的側面」とあり、その最初の文章が今日のタイトルで、まさにと思いました。
屋外で行う場合、特に焚き火の直火で地面を傷つけたりしないよう適切な調理器具を使うこと、また、器具の汚れを地面や水(河川や湖沼)に流すことなくゴミを持ち帰るなど、環境に配慮することが望まれている。
都市近郊の公園や河川敷においては、ゴミの投機・カラオケなどの騒音・喧嘩・アルコール中毒など付随する社会的な問題や事件が発生し、そもそも禁止となっている区域も多数存在するなどの対策も実施されている。
最近では、炭火の処理方法を知らずにほかの人が火傷を負ったというニュースもありました。
「相応の知識」というのはアウトドアグッズの使い方ではなく、「火の起こし方から始末まで」だったり、一本の水の流れが上水道から下水道の機能を担っている場所で、いかに水をうまく使用するかといった知識が求められているのだと思います。
そして90年代のアウトドアブームの始まりは、「日常生活の喧騒から離れて一人静かに過ごす」あたりだった印象が、今ではただでさえ大きな声で笑ったりしゃべったりする人が増えたのに、さらに静かな場所にいっても大騒ぎをしたいのだろうかと思うほど賑やかですね。
狭い日本のバーベキューの流行は、どこへ向かうでしょうか。
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