落ち着いた街 10 静けさを楽しむ

昨年に引き続いて、お花見の季節がやってきました。

昨年の今頃は社会から物が無くなったり、これからどんなことが起きるのかひっそりと、緊張感の中での生活でした。

それでも、1年後には落ち着いているだろうと楽観的だったのかもしれません。

まさかの2回目の緊急事態宣言下での春になりました。

 

でも、新型コロナウイルス感染症によってむしろ静かな春を楽しめることにほっとしている人も案外いるのではないかと思うのですが、どうでしょうか。

 

 

*狂宴と喧騒はいつ頃からなのだろう*

 

井の頭公園の近くに30年ほど前に住みました。

最初の頃に、桜の季節に行ってみました。

いえ、実際には引き返しました。

 

吉祥寺駅についた途端、お酒の匂いが駅の近くまで漂っていたことに驚きました。

公園へ向かう流れも駅に戻ってくる流れも、皆さん高揚しているのか大声です。

なんだか気がそがれて、引き返したのでした。

知人によれば、あちこちで宴の後に打ち捨てられたブルーシートやゴミが散乱していて、それを拾って帰ってきたとか。

 

それ以来、桜が散りかけて八重桜の季節になる頃まで近づかないようにしています。

春はお花がいっぱい咲くから好きなのですが、人を狂喜乱舞させるエネルギーもあるようですね。

 

この季節になると騒ぎたくなるのは仕方がないのかな、と思っていました。

 

 

*案外、うっとおしいと思っている人がいることを知った*

 

花見の酒宴については、どれくらいの人がどんな気持ちなのかはわからないのですが、新型コロナウイルス感染症の対策のおかげで、今まで知ることができなかったことをうかがい知る機会になりました。

 

それは電車内での会話に対してです。

「1分ぐらい沈黙してくれるといいな」と思うぐらい途切れることもなく早いテンポでしゃべり続けている人たちや、そういうプライベートな話は人のいないところでお願いしますと思う話を延々としている人がけっこういて、しかも騒音レベルの音量になっていることに気づけないようです。

 

こういうことはその場で注意できるようなことでもなく、じっと耐えながら「他の人はどう思っているのだろう」と気になっていました。

 この1年で、「コロナのおかげで電車内の会話が少なくなってホッとした」「なんで電車内でしゃべる人がいるのだろう」と感じている人が周囲にもいることを知りました。

 

 

案外と年中行事の花見の宴のニュースも、うっとおしいと思っているのにこの時期はそうしなければいけない雰囲気がつくられてしまっているのかもしれませんね。

こうしたムードはそんなに昔からではないような気がします。

 

静かに草花や池や川の流れを愛で、静かに散歩をしたり、ぼっとベンチで座って過ごす。

そんな場所がもう少し増えるといいのになと思っています。

 

 

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