10年ひとむかし  80 労働の対価としての適正な価格

ちょっと小難しいタイトルですが、経済とか数字が苦手な私の素朴な疑問ぐらいの話です。

 

すでに4月下旬ごろには夏のように気温が上がって半袖の服が欲しかったのですが、緊急事態宣言中でお店が開いていません。

通販だと写真と実物の差が大きいので、服や靴はできるだけ実物を見て購入するようにしていますから困ったものです。

5月半ばになって、ようやく駅ビルのショッピングエリアが営業再開しました。

 

駅ビル内のファッション関係のお店は比較的年代の若い人を対象にしているので、私はどちらかというとデパートや個人商店などで探すことが多かったのですが、昨年から次々にお気に入りのお店が閉店してしまいました。

さらに今回の緊急事態宣言では、デパートはなぜか「高級衣料を扱うお店」にされて休業要請継続という判断です。この1年ほどデパートはいつ行っても人が少なく感じたのですけれど。ようやく6月1日からは平日のみ営業ということで、わけがわかりませんね。

 

5月半ば、いつも購入するデパートがまだ開いていないため、暑さに負けて、若者向けのお店に立ち寄って見ました。

ちょっとステキなブラウスが、なんと2000円です。消費税を入れて、2200円ですけれどね。

今までは「安かろう悪かろう」という先入観が強かったのですが、よくよく見ると生地も縫製もとてもしっかりしていて、なぜこのブラウスが2000円なのか信じられません。1万円ぐらいでも大丈夫な質です。

申し訳ないような気持ちで買いました。

 

最近、2000円ぐらいの服を扱っているお店がとても増えたことが気になっていました。

材料費とか流通にかかるコストを差し引いたら、この1枚の服を消費者の元に届けるまでに関わる全ての人の労働への対価はいくらになってしまうのだろうと。

 

1980年代にDCブランドにはまったころは独身貴族でしたから、2〜3万円の服も買いました。

あれから40年たって、同じブランドのお店を覗くと当時とあまり変わらない値段です。

反面、当時はなかったような「安いけれど質の良い服」がいつでもたくさん出回っています。

先日購入したブラウスだって、1980年代でも数千円はしたと思います。

 

 

そしてそんな価格帯へのしかかるような消費税のバランスの悪さも、何だか変ですね。

200円と言ったら、日勤のお昼に購入するサンドイッチの値段とあまり変わりありませんから。

 

 

いつ頃から、「デパートで扱うのは高級衣料」という感覚にまで変化してしまったのでしょうか。

 つまりは社会が安いものを「得した」と求め続けると、どこかで給料が抑えられていくのではないか。そしてさらに安いものを求め続けるようになる。

経済に疎い私でも、さすがにこれはないよなというバランスの悪さを感じる価格が多いですね。

このままで大丈夫でしょうか。

 

 

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