私が気に入っていた服屋さんがとうとう閉店してしまいました。
3月に買いに行った時に、この街でお店を開いてから40年経ったとおっしゃっていて、このお店の服がとても気に入っているのでぜひぜひ長く続けてくださいねとお話したばかりでした。その1ヶ月後に突然、閉店のお知らせが貼ってありました。
自粛モードになってもお店を開けてくださっていたので、この季節が変化する時にも服を買うことができて助かっていました。
やはり新型コロナウイルスの影響で、こうした小売店の先行きが見えなくなってしまったのでしょうか。
閉店の間際になって、初めて店主さんとゆっくりお話をしました。
ちょうど賃貸の更新時期とも重なっていたので、もう一回更新しようか悩んでいたけれど、この自粛に後押しされたかもしれないとおっしゃっていました。
私より少し上の世代の方ですが、1980年代のDCブランドやさまざまなおしゃれな服が広がった時代に、大手の服飾メーカーで働かれていたようで、しばらく服飾の歴史に花が咲きました。
ここ10年ほどで、デパートや商店街にあるこうした小さくてもそれぞれの個性がある服飾店がどんどんとなくなってしまいました。
店主さんも、「最近は制服のように同じ服になって、ちょっと寂しいですね」と。
あちこちに大型のショッピングモールができて、たくさんのお店が入っているけれど何か違うと素通りするのは、そうそう「制服のようなファッション」なのだと合点がいきました。
デパートも長期休業中なので、その中に出店していたお気に入りの服飾メーカーさんもどうしているだろうと心配です。
自分が着て落ち着く服を探すのが、だんだんと大変になってきました。
また80年代くらいから90年代くらいの、商店街に服を扱う店がたくさんあって活気があった時代にならないかなと思いますね。
そのためにはお金が回ることが大事なのだと、改めて思うこの頃です。
それは贅沢とは違って、一人一人が生まれ持ってきた能力を活かせる社会なのではないかと。
「10年ひとむかし」まとめはこちら。