散歩をする 356 馬淵川下流を歩く

念願のIGRいわて銀河鉄道と青い森鉄道の車窓の散歩が叶い、14時5分に八戸駅に到着しました。

2日目も途中でおにぎりを食べただけでしたから、八戸駅に着いた時にどこからともなく美味しそうなかおりと、郷土料理らしい写真に引き込まれそうになりましたが、日没まであと2時間ほどです。

誘惑を振り払うように、えいと街へと歩き始めました。

 

これから「非常に危険な川」下流域を歩きます。

 

地図を見ると、八戸駅の少し手前からぐいと北東へと流れを変えて、本八戸駅の西側を通って八戸港へとまっすぐな水色の線が描かれています。

おそらく放水路のような役割があるのでしょう。

八戸港では馬淵川の河口より東側、約1.5kmぐらいのところにもう一つの川が流れ込み、その川の一部が運河のように西へと引き込まれて沼館緑地公園があります。

Wikipediaの「馬淵川」の以下の場所です。

かつての河口は八戸大橋付近にあり、河口直前で新井田川と合流していたが、洪水対策のため工事によって両河川の河口は分けられ、かつての馬淵川下流の流域だった場所は現在八戸工業港となっている。

 

なんとも複雑な河口付近です。

航空写真に切り替えても高低差がわかりにくく、その二つの川に挟まれた本八戸駅周辺は平地のように見えます。

どんな場所なのかみてみたいと思い、八戸駅から本八戸駅まで歩いてみる計画です。

直線距離で4~5kmぐらいでしょうか。2日目の最後の力を出せば、なんとか歩けると思いました。

 

*馬淵(まべち)川右岸を歩く*

 

八戸駅を出てしばらく県道20号線沿いに歩くと、馬淵川の河原が右手に見えてきました。道路よりは一段低い場所に水田地帯が広がっています。

橋の手前に白山神社があり、水の神様かと思って立ち寄ってみましたが、地域の氏神様でしょうか。

 

誰も歩く人のいない道ですが交通量は多く、馬淵川の右岸へと橋を渡って歩いている時には大型車の風圧で吹き飛ばされそうになりました。

橋の真ん中に止まって、しばし上流方面と下流方面の流れを眺めましたが、「非常に危険な川」が想像できない穏やかな流れと美しい土手の川でした。

 

ただ、当初の計画を見直して途中からはバスを利用した方が良さそうと思うほど、右岸側は河岸段丘の高低差が大きい地形でした。

 

橋を渡ってから、川沿いにある八戸赤十字病院に向かって歩き、その裏手から馬淵川の堤防沿いを歩く予定です。

八戸赤十字病院は敷地も広く、大きな病院でした。

それでも新生児の異常は越境して岩手医科大NICUへということですから、搬送の判断も、そしてご家族の面会なども大変そうですね。

 

八戸赤十字病院の裏の土手に大きな木と祠があり、緑の土手と遠くの山と、まるで一枚の絵のような美しい風景でした。

「河口から6.4km    堤防は海抜9.3m」の表示がありました。

土手はちょうど工事中で、残念ながら水面を見ながら川のそば歩くことはできませんでした。

 

馬淵川と並行して通っている国道104号線へのわずか200mほどの道は、地図からは想像できないような上り坂でした。

空腹にこたえましたが、ここまで歩いたら歩くしかありません。

 

次の目的地は、国道104号線とゆりのき通りの交差点のそばにある根城跡(ねじょうあと)で、きっと馬淵川の流れがよく見えるだろうと向かいました。

少し高台になった場所が樹木に囲まれた城跡で、その周囲の低い場所にぐるりと道が整備されています。

静かでこの美しい風景を独占と喜んでいたら、前から後ろから結構車が通ります。公園内の駐車場へと皆さん車で向かっていて、歩く人は皆無でした。

 

しだいに日が傾きかけてきました。もしいけたら敷地内の八戸博物館もと思っていたのですが、その公園の入り口にもたどり着かないうちに、これは引き返して本八戸に向かわないと真っ暗になりそうです。

 

本八戸駅方面へのバス停へと向かいましたが、なんと河岸段丘の坂道を登った上でした。

ここで力が尽きて、ただただバスを待ちました。

 

本当はここから根城水道公園、羽仁もと子記念館とその近くの小さな川、そして長根公園とそばの「左水門下」「右水門下」という気になる地名の場所を歩く計画でしたが、無謀でした。

 

地図を眺めていると鳥の目になったかのように自由にあちこちに行けそうな気分になるので、時々こういう無理な計画になるのでした。

 

でも、美しく静かな馬淵川下流の風景と周囲の街の雰囲気がわかったので大満足でした。

 

 

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