私が住んでいる地域では低気圧や台風が通過する時間帯はだいたい朝方で、朝の通勤時間帯には過ぎていることが多いのですが、そこから東北を抜けるとお昼頃になるのですね。
散歩の二日目の朝は雨脚が強くなりましたが、二戸駅を出発する頃にはすっかり雨が止みました。
秋の深まった風景と雨も、しんみりとしていてそれはそれで好きですね。
特に、こういう山あいは雨上がりもまた美しいと、高校生まで過ごした地域のことが懐かしくなりました。
13時19分発の列車に乗りました。再び車窓の旅です。
次は斗米駅で、「米」がつくから水田地帯かと思ったら、りんごの果樹園が見え始めました。
しばらくすると水田地帯もありました。
この斗米駅の近くに、二戸歴史民俗資料館があるようです。馬淵川の歴史や川と暮らしなど、立ち寄って見たかったのですが、今回は時間がありませんでした。
沿線に菊が咲いています。
園芸品種の菊というより、子どもの頃から身近にあった野菊です。美しい晩秋の風景に見入っているうちに金田一温泉駅に到着しました。
ここで6分間の停車時間があるのは、JR貨物列車の通過まちでした。
長い長い貨物列車を見送っていると、80年代の山手線は貨物列車がそばを通っていたことを思い出して懐かしいですね。
そしてこの金田一温泉駅が岩手県最北の駅で、その次は青森県の目時駅になり、同じ列車にそのまま乗っていても鉄道名は「青い森鉄道」になります。
国鉄からJRへという今考えると歴史的にも大きな変化の時期を生きていながら、知らないことばかりですね。
それにしても第三セクターの路線をJRの貨物が走るのですから、乗車券も一筆書きにできたらお得になるだけでなく、連続切符であちこちに行き、ふらりと途中下車して訪ねる楽しみが増えるのですけれど。
馬淵川が蛇行しながら、線路と離れたり近づいたりしながら青森県に入りました。
県境を越えると、さすが青森県と思うほど沿線にりんご畑が増えて、さまざまなりんごが実っているのが見えました。
この風景を見たためか、例年春先まで柿を食べるのに、今年はりんごばかり食べています。
水田とりんご園とが馬淵川沿いに広がり、剣吉駅の手前あたりから次第に水田地帯が増えてきました。
稲穂の実る夏の風景を見てみたいものです。
地図で気になっていた、馬淵川の旧河道がぐんと近づき、そして離れていきました。
苫米地(とまべち)駅を通過しました。「米地」のついている通り水田が広がり、どっしりとした家が見えました。
稲刈りが終わったあとの水田の土を起こして、次に何か植えるようです。
苫米地駅は1961年(昭和36年)に国鉄東北本線の旅客駅として開業したそうなので、比較的新しい駅なのかもしれません。
東北で安定して米づくりができるようになった歴史はどんな感じでしょうか。
水が過不足なく供給され、災害からも守られて、そして気候に適した品種を育て、安定して収入を得る。
私が子どもの頃はまだ夢のような世界だったのだろうなと思っているうちに、また新幹線の高架橋と並走しながら八戸駅に到着しました。
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