存在する 36 S字カーブの先の下末吉台地

大崎のあたりのS字カーブを歩いた2週間後、今度は武蔵小杉駅のSカーブの先を歩いてみたくなりました。

 

武蔵小杉駅を過ぎると、あっという間にまた工場の跡地のような広大な場所が現れます。それでも2019年ごろから少しずつ変化して何かができるようです。

あの視界を遮るもののなさそうな場所から通過していく新幹線を見てみたい。

品川駅を出て10分ほどで次の新横浜に到着するのですが、その途中でいきなりトンネルをくぐり、また平地になって鶴見川を越えます。

 

ここが慶應大学日吉キャンパスを突っ切る場所だというのは、1980年代ごろから頻繁に東急東横線を利用していた時に知りました。そしていつ頃だったか、このあたりもかつては海だったらしいと聞いたことがあります。「かつて」というのは途方もなく大昔のことのようですが、こんな内陸なのにかつては海軍の施設があったことと何か関係があるのだろうかと気になっていたのですが、そのままになっていました。

 

多摩川左岸は川を越えている時にもはっきりと国分寺崖線がわかるのですが、対して川崎側の右岸はどちらかというとなだらかな丘陵地帯に見えます。

東海道新幹線は、この丘陵地帯の海側を通過しているように見えるのですが、いったいこの地域の名前はなんだろう。

そんな疑問もそのままになっていました。

 

*神奈川県の台地*

 

多摩川右岸、台地」で検索したら、「神奈川県の地形・地盤」(ジオテック株式会社)にわかりやすい地図がありました。

 

多摩川から鶴見川までが「下末吉台地」、鶴見川から境川までが「多摩丘陵」とその先の「三浦丘陵」と「三浦台地」、境川から相模川までが「相模原台地」そして相模川から酒匂川までが「伊勢原台地」「秦野台地」そして海側に「大磯丘陵」となっていました。

 

神奈川県は川でかなり明瞭に地形の境界線があるのでしょうか。

 

そうそう、そのいきなりトンネルに入るあたりは下末吉台地だとわかりました。

「下末吉」という地名はどこかで聞いたことがあると地図で確認したら、なんと鶴見川右岸側ですから多摩丘陵の先の低地のあたりです。

なぜ、ここに鶴見川左岸の台地の名前がついたのでしょう。

わかったと思ったら、またまたわからないことが増えました。

 

とりあえず、今度は下末吉台地の末端を感じながら東海道新幹線沿いに歩くことにしてみましょう。

 

相変わらず冬眠しない熊のニュースが全国から聞こえてきたので、これは集中して東海道新幹線のそばを歩こうと昨年の11月中旬に出かけました。

 

 

 

*おまけ*

 

目久尻川から高座渋谷まで歩いた時に、「相模川左岸の土は黒っぽい」と感じたのは勘違いだったのかと自信がなくなりかけていました。

 

この「神奈川県の地形・地盤」にこんなことが書かれています。

台地

 砂礫や泥流堆積物により形成された地形面(洪積台地・段丘面など)の上位に、火山灰質の関東ローム層が厚く分布する。ロームの層厚は、被覆している下位地形面の形成年代や地質構造によって、大きく異なる。

 住宅基盤としては良好と考えられるが、ロームの分布地域では地表付近を黒ボク土(有機質土)が厚く被覆する場合もあるため、注意を要する。

(強調は引用者による)

専門的なことは全くわからないのですが、黒っぽい土に覆われた場所もあるということでしょうか。

 

線路沿いにはさまざまな物事が存在していますね。

 

 

 

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