先日、荒川の上流近くを歩きましたが、入間川がその支流であることが頭の中でつながりました。
帰宅して入間川の源流はどこか眺めていると、その一つが青梅の近くにあることがわかりました。
青梅と言えば多摩川をまず思い浮かべるのですが、荒川の支流である入間川へ流れ込む支流があるということは、その近くに分水嶺があるということでしょうか。
地図ではよくわからない、その水の流れを二分した地形を歩いてみたい。
分水嶺であれば、ちょっとしたハイキングになってしまうかもしれないけれど道があるので歩いてみようと思いついたのでした。
*青梅駅から山を越える*
地図で見ると、青梅駅から直線距離で700〜800mぐらいのところに、水色の線が始まっている場所があります。
そこに湧水があると確信しました。
ただ、青梅は玉川上水や小河内ダムに関心を持った頃に何度も通過しているのですが、たしか駅の近くは山のはずです。
きっと散歩の初めから山道になりそうなことが想像できました。
記憶の通り、駅を降りるとそこには山が立ちはだかっている感じで、つづら折りに車道が通っています。
ああ、車を避けながらこれを登るのかとちょっとためらいましたが、林の中に歩道がありました。まっすぐ登って行くのでかなり急勾配ですが、車を気にしなくて良いし、ショートカットになっているようです。
夏を思わせるような気温の中、下を向いて登り切ると、そこにはなんと「青梅鉄道公園」がありました。それで、子供連れの家族を見かけたのですね。
休憩がてら、立ち寄って見ました。
先日、秩父鉄道で三峰口に行った時ちょうどSLが走る時間で、目の前で見ることができました。そして今度はその蒸気機関車が何台も目の前に展示されていて、期せずして鉄道の歴史を見る機会になりました。
あの初めて乗ったころの新幹線も展示されています。このままここで過ごしたいと思う場所でしたが、先を急ぎました。
その青梅鉄道公園があるあたりから、今度は下り坂になります。
坂道を降りると谷津の地形に沿って住宅街が広がり、そのはずれにある石動神社のあたりから小さな流れが始まっていました。湧水そのものはもっと奥まったところにあるようでしたが、私有地のようなので立ち入らずに、ここから下流をたどることにしました。
*霞川*
最初は、チョロチョロと流れていた側溝のような流れでしたが、100m200mと行くうちに水量が増えて、数百mぐらいで立派な水路になっていました。
大塚山公園の信号のところに「霞川上流端 荒川水系一級河川」という表示があり、あの小さな流れが霞川になりました。
また、霞川は不老川、柳瀬川、黒目川に並ぶ古多摩川の名残川の一つである。かつて多摩川は、青梅を扇頂都する扇状地を、蛇行しながら主に北東方向に流れていた。その後、1万3千年から2万年前に逆断層である立川断層の活動により隆起したため、流路を遮られた本流は断層に沿って南東方向に流路を変え、現在に近い流路となる。
たまたま地図を見ていて、「なんで青梅なのにこの川は多摩川へ流れないのだろう」と思いついた疑問の答えのようです。
霞川に沿って遊歩道が整備されていて、源流付近から1kmほど歩くと静かな住宅街が広がり、もう少し行くと広々とした田園風景になりました。
山が迫って狭い丘陵地に家が立ち並ぶ青梅線沿線からは、想像がつかない別世界があることに驚きました。
都内といっても本当に知らない世界ばかりです。
緩やかに蛇行する霞川に沿って、途中に藤橋城跡と今井城跡がありました。
開けた田園風景の中に少し小高い場所があって林が残っています。昔はそこにお城があったようです。
Wikipediaの「霞川」の「治水」で、「第二次世界大戦以前は、なんども水害を引き起こしており」と書かれている理由が少しわかるような気がしました。
大塚公園のそばにあった表示では「都県境まで5.5km」とありましたが、しばらくすると遊歩道が忽然となくなり、入間市に入ったことがわかりました。
遊歩道がなくなっただけでなく、河岸段丘でしょうか、八高線金子駅までは少し高低差の大きい坂道を登ってようやく到着しました。
あの小さな湧水が川になり、入間川と合流して荒川になる。
確認できて大満足の散歩になりました。
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