6月11日に「東京アラート」が解除されて、非日常から日常を模索しているような段階に入りました。
2月から毎日確認していた入退院のデータも、6月16日には「入院中 954」「重症 80」にまで減りました。
どれだけ「非日常」だったのか、喉元過ぎればになりそうです。
2月25日から参考にしていたそのデータを見直すと、2月25日はまだ入院中が115名で、人工呼吸装着も14名、死亡は1名でした。国内感染者は156名となっています。
そこから約1ヶ月で、国内感染者数は10倍に増えています。
3月29日には入院中が1217名、人工呼吸器装着が59名、死亡は52名になり、国内感染者数が1693名になっていました。
このあたりから数日毎に感染者数が1000人以上増えていくペースになって、4月9日には人工呼吸器装着が109名にまで増えていました。入院中も3998名でした。
4月17日には人工呼吸器装着が207名、入院中は8007名。
かつて医療現場が経験したことのないスピードでこの未知の、しかも救命救急が必要とされる患者が多い感染症患者を受け入れていたのでした。
海外の危機的なニュースを見ると全く先が見えないまま、患者さんが増え続けていました。
そしてデータを見直すと、5月2日が人工呼吸装着数の最大数324名で、この日を境に少しずつ減少し始めています。この時点の国内感染者数は16371名でした。
ただし死亡者は458名、そして現在まで亡くなられる方は増えて、6月16日の時点で927名の方がCOVID-19の感染で亡くなられているようです。
医療施設で働くようになって、時々こんなことも起こるのかと新たな感染症に驚かされ常に緊張しているのですが、世界中が緊急事態になるような感染症が起こるとは考えたこともありませんでした。
もし医療安全とかリスクマネージメント、根拠に基づく医療そして標準感染予防対策という90年代の大きな変化がなかったらどうなっていただろうと、それ以前の医療現場の雰囲気を思い返しました。
とてつもない問題解決の過程を見ることになったすごい4ヶ月間だったと、数字を見直したのでした。
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