米のあれこれ 19 「5年ぶりに田植え再開」

今年は田植えの時期を見逃したと思って下書きを書いた直後に、熊本県の田植えのニュースがありました。

関東から東北だと、田植えは4月の終わりから5月ぐらいかと思っていたのですが、熊本県では今、田植えをしている地域もあるのですね。やはり日本はひろいですね。

 

ニュースは「熊本地震の被災地 5年ぶりに田植え再開 熊本市秋津地区」(NHK NEWS WEB、2020年6月22日)でした。

4年前の熊本地震で農地に大きな被害を受けた熊本市熊本県益城町にまたがる秋津地区で一部の田んぼの復旧が終わり、5年ぶりに田植えが再開されました。

熊本市東区益城町にまたがる秋津地区は、4年前の熊本地震で農地が波打ったり水路が壊れたりするなど大きな被害を受け、ほとんどの田んぼで田植えができない状況が続いていました。

この春までに水を送り出すポンプが修理されるなど、地区の田んぼ全体の4分の1程度の復旧が終わり、5年ぶりに地元の農家が田植えを再開しています。

22日は、朝から農家の上田浩文さんが家族とともに、およそ2000平方メートルのた田んぼで、熊本の品種「くまさんの力」の苗を機械や手作業で植えつけていました。

上田さんは「田植えができてうれしいです。やっと震災前の光景が戻ってきました。おいしいと言ってもらえる米を作っていきたいです」と話していました。

復旧事業を担当する秋津飯野土地改良区の竹中宏豊さんは「5年ぶりの田植えで農家の方に少しでも活気を取り戻してほしい。一日も早く全部の田んぼを復旧させたい」と話していました。

 

4年前、発生直後の熊本地震のニュースから目を話せなくなって朝までずっとニュースを追っていました。鳥瞰と虫瞰、俯瞰と仰瞰という言葉が沸き上がりながら、災害発生時の居ても立っても居られない気持ちを落ち着けなければと思ったのでした。

 

「農地が波打つ」ほどの地震の被害から全体の4分の1が復旧するまでに、4年間もかかるのですね。

 

あの亘理町の塩害のように、災害の種類や規模によって農地へのさまざまな被害があって、そこから元へ戻るには何年もの時間が必要だというこうしたニュースがなんだか身に沁みるようになってきました。

頑張って作っても50回のうちの数回が、こうした予期しない災害に遭うのですから理不尽なことですね。

 

この4年間は私もちょうど川や用水路、水田、干拓地を訪ね歩くようになって、災害からどうやって復旧していくのかあまりに知らなさすぎたと思うようになりました。

以前だったら読み飛ばしていたこうした記事でしたが、こうした記事こそが災害の短期・中期・長期視点に必要な記録かもしれません、

 

 

少し電車に乗っただけで、整然と広がる美しい水田の風景は本当に美しいと思うこの頃です。

 

 

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