散歩をする 212 三次から芸備線で広島へ

少し間が空いてしまいましたが散歩の記録の続きで、二日目は8時11分発の「快速みよしライナー」に乗って広島へ向かいました。

 

出発まで時間があったので、三次駅の南側を歩いてみることにしました。地図をよくよく見てみると、三江線の線路がうっすらと描かれていました。その線路を見て、それから南側の街の中を歩くと、山の方からの水路がありました。朝から、その清い水の流れと音を聞いているだけで、満足です。

南側には平地が少なく、すぐに急な坂道になりました。地図で見つけた八幡神社に行けば、何か水の歴史がわかるかもしれないと思いましたが、目の前の急な坂道を見て断念。列車に間に合わなくなりそうですからね。

 

*三次から広島までの風景*

快速みよしライナーで、広島までは約1時間20分です。また瞬きを惜しんで車窓の風景を眺め続けます。

ここでも、眺めながら書きとどめたわずかのメモがどこか宇宙の果てに飛んでいき、記憶に頼って書いています。

 

江の川沿いに山間部へと入っていくと、時々、急に開けて田園風景と立派な家がある集落が見えてくるのでした。

昨年から東北や北陸、山陰など各地を鉄道で回った時にいつも感じる、あの風雪に耐えた歴史を感じさせる風景です。

いえ、そんなうわべだけの言葉では表現しきれない何かです。

 

地図と照らし合わせてみると、芸備線沿線では谷津だけでなく、川と川の合流部にこうした開けた田園風景がある印象でした。

 

吉田口駅の手前で江の川と別れて、しばらく川の風景がない場所を通過していよいよ「分水泣き別れ」の場所を通過しました。ただ、列車の車窓からはあまり実感できないのですが、次の向原駅をすぎると左手から三篠川が見え始め、その流れが広島方面へと向かうことで実感したのでした。

 

三篠川沿いには、赤い屋根と鳩の鴟尾(しび)がある家が増えました。

新見あたりから伯備線沿いに魚の形をした鴟尾のある風景が続いていたのですが、新見駅から芸備線沿いにも同じように魚の鴟尾のある家が目立ちました。

県境を越えて広島に入った時に東城のあたりでは全く見かけなかったので、岡山から山陰だけなのかと思ったら、東城のあたりだけがなぜかないだけで、その後も芸備線沿いには黒い瓦と魚の鴟尾のある家々が見えました。

赤い屋根は少なかったのですが、向原駅から伊原市駅までの沿線では見かけました。赤い石州瓦の方が金持ちらしい米子あたりと繋がる何かがあるのでしょうか。

ここ以外は、黒い瓦と魚の鴟尾を広島駅の手前までときどき見かけました。

 

さて、どっしりとしたお城のような家と田園風景が続いていたら、突如として志和口駅周辺では現代風の家が多くなりました。

新しくて素敵な家々が並んでいて、若い世代が多いのでしょうか。ところが、それまでの風景と一変した普通の家の風景がちょっと頼りない風景に見えたのは、まあ私の勝手な印象です。ごめんなさい。

 

*橋の崩落箇所を通過する*

 

芸備線沿線には想像以上に集落や田園風景が多かったのですが、この志和口駅あたりをすぎたあたりからでしょうか、両側に山肌が迫るようになり、平地が少ない場所を三篠川が流れています。

白木山駅を過ぎたあたりから、列車が徐行し始めました。車窓にぴったりと顔をつけて見逃さないように待っていました。

復旧工事の終わった鉄橋をゆっくりと列車が通過していきます。そばではまだ、堤防などの復旧工事が行われていました。

2018年(平成30年)

・7月7日:平成30年7月豪雨で、狩留家駅と白木山駅間にある三篠川にかかる橋が崩落。加えて、複数箇所で土砂崩れや路盤流出なども発生。これにより、全線で不通となる。全線復旧まで1年近く要する見込み。

 

2019年(平成31年・令和元年)

・10月23日:中三田駅ー狩留家駅間が復旧。これにより豪雨から1年3ヶ月ぶりに全線が再開した。

Wikipedia芸備線」より)

 

太田川沿いに広島へ*

 

増水で橋梁が崩落するほどの場所なので、都市部からは結構遠いのだろうかと想像していたのですが、狩留家駅の二つ先の中深川駅あたりからは急に市街地に入り、停車する駅ごとに、通勤客が次々と乗り込んできて、あっという間に満員電車になりました。

 

深川駅をすぎたあたりで、根の谷川がいくつもの支流を合わせながら三篠川に合流し、その三篠川太田川本流に合流します。

太田川だ!」と一瞬見えた後は、高い堤防が目の前をさえぎり、堤防を眺める風景になりました。

太田川左岸側は小高い場所が多く、平地が少ないようです。

ときどき見える対岸側は、平地部分が広がり山へとつながっているのですが、その山肌にもぎっしりと家が建ち並んでいました。

 

戸坂駅の手前あたりから芸備線はぐんと南側へと向きを変え、太田川から離れて広島駅へと向かいます。

次々と乗る通勤客に、前日、同じ芸備線の数十キロを乗客3~4人で乗っていたことを思い出して、ちょっとめまいがしたのでした。

 

さて、いよいよ広島駅に到着。

吐き出されるように広島駅に降りたって、太田川放水路へと向かいました。

 

 

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