10年ひとむかし 73 災いを転機にする

辰巳国際水泳場はほんとうにたくさんの思い出が湧き上がってくるプールなので、京葉線りんかい線でそばを通過するときには窓に顔をつけるようにして眺めています。

 

白い貝殻を合わせたようなデザインもおしゃれですし、それがあのわずか四半世紀で埋め立て地から鬱蒼とした緑地公園になったあの緑と周囲の運河の中に建っている風景は、これからさらに半世紀、一世紀と時を重ねたらほんとうに美しく歴史を感じさせる場所になりそうです。

ですから東京オリンピックのために新たなプールを建設する話題を知ったときには、とても残念な気持ちになりました。

ただ、実際に建設が始まると、次第にできあがっていく新しい会場にもワクワクとしました。

 

私にとって辰巳国際水泳場の唯一の残念な点といえば、観客席の椅子が小さく、隣の人とかなり密接になることでした。

最近は女性同士でも狭く感じます。

辰巳国際水泳場ができたのが1993年ですが、当時はこのサイズでも豪華な最新式の施設だったのでしょう。

海外の大会の動画などを見ると、大柄な外国の人が観客席にゆったり座っているのを見てうらやましいなと思っていました。

ですから、東京アクアティクスセンターの座席は少しゆったりだといいなと期待していたのですが、4月の日本選手権が延期になり、まだ座る機会がありません。

 

 

今回の新型コロナウイルス感染症拡大で、電車内でひじ鉄をくらうことも減ったので、今まで無防備に隣の人に近づいていた距離感がだいぶ変化したのだと思います。

ただ、列車の座席も、こうした会場の席も今までの詰め込むようなサイズなので、相変わらずギュッと肩をすぼめないと座れない場面が多いですね。

 

これを機に、人との間隔をゆったりとれるような設備が基本の社会に変化するといいなと願っています。

 

 

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