数字のあれこれ 68 粛々と歩いていれば55%増でも問題ないのではないか

偶然つけたテレビのお昼過ぎのワイドショーで、週末の人出の「統計」を出していました。

渋谷は「前週に比べて55%増」だったそうで、ご意見番のような人が「若者が行動を変えないと」というようなことを言っていました。

 

渋谷とか吉祥寺とか、比較的私も利用する街ですが、この新型コロナウイルスのニュースでは、なんだか歩いてはいけない街のように映し出されるのがとても心外ですね。

 

「前週から55%増」といっても、かつての混雑具合に比べれば全然少ないですし、何よりほとんどの人がマスクをして、大きな声ではしゃいでいる人はごくごく稀です。

ええ、ちょうどその取材をしていると思われる日に、ちょうど私も歩きましたけれど。

 

3月の緊急事態宣言の時もそうでしたが、この人口が集中している東京では繁華街やオフィス街の人が減れば、住宅街の公園まで人が溢れるわけで、さらにいつもなら帰省や旅行で人口が減る時期ですが、今年は取りやめたという人も多いことでしょう。

 

3月あるいは感染者数が増えた夏も、まだ情報が錯綜していて、「とにかく家にいろ」という対応でした。

ただ、その夏頃からは家にいることだけが対応方法ではなく、「夜の街」から「会食」へと表現が変化し、食べ終わったお皿の前でマスクをして話す人も出てきました。

 

マスメディアを通した情報が錯綜している中でも、自らリスクを把握して行動を変えたり生活を工夫していることで社会は少しずつ変化しているように見えます。

あんなに密接に人と近づく朝夕の満員電車の中で、みなマスクをし、咳やくしゃみをなんとかこらえ、会話をしている人が浮いてしまうほど、粛々と通勤しています。

グッドマナーとも違うけれど、忍耐強く落ち着いていると思いますけれどね。

 

相変わらず繁華街の人の多さを映し、道ゆく人がまるで烏合の衆かのようなイメージを作るのはなぜなのでしょうね。

感染者が増えたのは誰かのせいという感情を引き起こしたいのでしょうか。

雑踏を歩く人の映像をみた人に怒りの感情を持たせても、感染症の対策にはならないですからね。

 

 

「55%増」の渋谷の人混みにいる人が、みなマスクを外して大声で話していたり、そのまま飲食店に入って唾を飛ばしながら盛り上がっているのであれば問題ですけれど、映像と現実は違いますしね。

マスクをはずして唾を飛ばしてしまう行動をなぜ今とってしまう人がいるのか、この感染症の何がわからなくてそういう行動をとり、そういう人の割合はどれくらいなのか、年代別の特徴など、ぜひぜひ、そのあたりを取材して、リスクの高い行動を変えていけるようにしてくださると心強いのですけれどね。

 

 

 

 

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