正しさより正確性を 23 非常時の正確な情報の伝え方

渋谷駅の工事現場ですが、ある時基礎のコンクリート製の壁が線路脇に置かれて、そこに「路盤天端」「砕石天」と手書きで書かれたテープが何か所も貼られているのが見えました。

 

「路盤天端」「砕石天」なんのことだろう、きっと「ダム天端」と同じように「上」の意味があるのだろうということぐらいは想像できました。

しばらくして、砕石天と貼られたテープの下まで砕いた砂利が敷かれました。

ああ、そういう意味だったのかと、ちょっと満足。

 

わずか3~4文字ですが、言葉の意味を知っているだけでなく、ここからあらゆるリスクまで思い浮かべられるのが専門性なのだろうなと思いながら、その場所を通過しています。

 

 

*現在わかっていることをそのまま伝える*

 

1週間ぐらい前でしょうか、夜勤の出勤前につけた午後のワイドショーで、マスクについて話題にしていました。

不織布のマスク>布マスク>マウスシールドといった効果についてと、食事中には喋らないといったあたりです。

未だに唾を飛ばさないとかマスクの基本的な知識が世の中には理解されないので、こうしたことを繰り返し繰り返し放送する必要があるのですね。

放送内容としては真っ当なものでした。

 

ところが、ご意見番のような人たちが、「でも本当にマスクに効果があるんですかね」とか、「不織布のマスクは布ではないから、燃えるゴミに出してはいけないのではないか」といった、自分の考えを喋り始めて、正確な情報があさっての方向に行ってしまいました。

 

あ〜あ、こうしてせっかく今わかっていることを伝えようとしても、権威に対して物申すという芸風を変えられない人たちの何気無い発言が、観ている人の心に疑いの気持ちを忍ばせてしまうのでしょうね。

 

「マスクなんて知っている」と思っているのでしょうか。

そこからリスクマネージメントまで思い浮かぶ人のことは、想像できないのかもしれませんね。

 

 

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