水のあれこれ 170 三河安城駅と明治用水

今回の散歩こだまに乗ってのんびり旅です。三河安城駅まで2時間17分、ただ今回は懐かしい三河湾を見るためにA席にしたので、反対側の通過列車やすれ違いの新幹線はあまり見えませんでした。

2週間前なのに、すでに懐かしくてまた訪ねたいと思う新幹線の車窓の風景です。

 

*新幹線三河安城駅と明治用水

 

今回の散歩の目的は愛知用水なのですが、前回見ることができなかった明治用水の箇所からまず訪ねました。

 

新幹線と東海道本線が交差する手前にそれぞれの三河安城駅があり、それをつなぐように明治用水があることに気づきました。

ここを通過するときはあっという間ですし、ホームの建物で周囲は見えないのですから致し方ありません。

 

明治用水は西側へと流れ、その周囲に水田地帯が広がっています。

そのあたりの地名を見ると「東切替」「西切替」「荒田」「新田」と、明治用水と関係があることが推測できます。どんな場所なのだろうと見たくなりました。

 

駅の南口に出て見ました。

三河安城駅は今まで通過していたので、駅舎がどんな建物かも知りませんでした。

北欧風のちょっとおしゃれな建物で、日本デンマークと関係があるとすぐにわかりました。

駅の前には石壁に水が流れ落ちる記念碑があり、「明治用水と日本デンマーク」についての説明がありました。

 

西側へと明治用水の暗渠部分の道路を歩くと、数分ぐらいで用水路が見えてきました。

一段、土地が下がって水田地帯になっています。これが「切替」の意味でしょうか。

もう少し歩いて見たかったのですが、次に乗る東海道本線の時刻に間に合わなくなりそうなので、一旦引き返し、駅のそばから遊歩道がある明治用水を歩き、東海道本線の駅との間に出ました。

 

 

 *矢総公園*

 

そこには、地図には乗っていなかったのですが整備された広場があり、矢総(やそう)公園の説明がありました。

 

この公園は人と水の関わりを表現したもので、天から雨粒として落下し大海にそそぎ、我々の生活に様々な恩恵を与え、水は泉の様に注ぎ、噴き上がり・渓流・河川の様に流れ、雨・滝の様に落下し、池・沼のようにとどこおる。

この水は矢作川から豊田市にある明治用水頭首工より取水し、上流部は一部開水路、 下流部は函渠・管水路により15km流下されて来た水を利用して、地域の人々の"憩い広場"となるよう建設されたものです。

東海農政局

矢作川水利事務所

 

今流行りの「おしゃれな公園」に見えたのですが、この写実的な文章ゆえにその行間にある歴史がまっすぐに伝わってきました。

 

新幹線三河安城駅ができたのが1988年ですが、思い返すと自己啓発が広が始めた頃で、歴史とか事実でさえ感動の物語にされていく今の時代につながっているのだと思います。

その頃にこの説明文を読んだら、古臭く思ったかもしれませんね。

 

2週間前の散歩の風景とこの文章が重なり、今回はここをスタートにして本当に良かったと思いました。

 

その公園から東側へと少し蛇行した小さな道があります。

なんとなく勘で、そこを歩くと良さそうな気がして道なりに歩くと、コンクリート製の四角いタンクがあり、「明治用水二本木分水口」の表示と明治用水の全体像がわかる絵がありました。

 

生活のそこかしこに、明治用水の恩恵が伝わる街でした。

一旦、東海道本線下をくぐると、再び明治用水の開渠部の流れが見えました。

満足して、東海道本線安城駅へと向かいました。

 

次はいよいよ愛知用水を巡ります。

 

 

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