最近、NHKの「小さな旅」を録画するようになりました。
地蔵川を知ったのもこの番組です。
先日は、「びわ湖の奥に隠れ里〜滋賀県 菅浦〜」とタイトルに琵琶湖の名前を見つけたので、楽しみにしていました。
菅浦という地名は初めて耳にしましたが、「昔は船しか交通機関がなかった」と聞いて、だいたいあの辺りだろうとぴんときました。1月に琵琶湖を鉄道で一周した時に、右岸のマキノ駅から近江塩津駅あたりで、それまでの風景と少し変化して沿岸が入り組んでいました。
行く前にはできるだけ沿岸に近いところを散歩したいと思いながら地図を眺めていたのですが、この辺りだけはどうしても歩くのは難しそうに見えました。
100人ほどの方たちが暮らしているそうですが、鮎をとる人、風景を写真に残し続ける人などをカメラが追っていく中で、ヤンマーの農村家庭工場という初めて聞く言葉が印象に残りました。
ヤンマーの「工業によって貧しい農村を助ける」という事業で、細かい部品の加工をこの地域で行なっているという話でした。
検索すると、1960年ごろから始まったようです。
私が子どもの頃に「ヤンマーの天気予報」をテレビで観ていましたが、同じ頃にこの地域では農機具の部品加工を始めていたのですね。
水辺の風景や漁村が出てくるので観始めた番組ですが、十三湖のしじみもそうですが、自分が生きてきた時代のまた違う生活を知る機会になっています。
とても貴重な生活の記録番組ですね。
ですから、今回の菅浦の番組紹介に、「隠れ里で人生を紡ぐ人々の小さな物語です」という表現にはちょっと違和感がありました。
最近は「物語にすること」が流行っているのでしょうか。
映像を撮る人の主観をできるだけ抑えたものの方が、より正確な事実を残せるのではないか、何世紀経っても伝わるような。
何かを記録するというのは難しいですね。
「小さな旅」。
あちこちを散歩していても車窓の風景で通り過ぎてしまうところに、こんなことがあるのかと、とても楽しみにして観ています。
「記録のあれこれ」まとめはこちら。