6月初旬、ふらりと立ち寄った府中市郷土の森の博物館で「検見川発掘日記」の展示を見ることができました。
3回目の緊急事態宣言中でしたから、解除になったら蓮の花を見に行こうと楽しみにしていました。昨年は大きな公園などが軒並み立ち入り禁止になっていたので、一度も蓮の花を見に行くことができませんでしたからね。
そして、昨年9月に新潟の潟町駅の前の池に蓮の果托が広がる風景に、「来年は感染症が落ち着いて、またあちこちの蓮を見にいけますように」と思ったのでした。
地図で見つけた佐賀江川沿いの蓮池神社と蓮池公園にはきっと蓮が一面に広がっているに違いないと、訪ねるのを楽しみにしていましたが、これは近くまで行ったものの暑さで断念しました。
ただ6月下旬だと、まだ葉ぐらいかもしれませんね。
今年こそはどこかに蓮の花を見に行こうと思って楽しみにしていましたが、日に日に感染状況が酷くなっていったので、今のうちに行こうと思い立ち、7月中旬に出かけました。
*早朝の蓮の花を見に行こう*
蓮の花の説明を読むと、たいてい「早朝が良い」と書かれています。
そういえば蓮の花を見に行くのはいつも午後でしたが、いつもの出勤の時間に家を出れば、7時台の不忍池を見ることができるではないかと思いつきました。
以前のような超満員の通勤電車だったら行こうとは思わなかったのですが、今は以前に比べれば空いていますからね。
以前はふらりとその日の気分で上野動物園へ出かけて、不忍池の蓮やカワウの定点観測という口実でビールを飲んで池を眺めていました。
不忍池の3分の1ぐらいは上野動物公園内で他の部分は上野恩賜公園になっていますが、早朝の上野恩賜公園はどんな雰囲気なのだろう。それも見てみたいと思いました。
のんびりしていたら着いたのが8時過ぎになってしまいましたが、一面、青々と蓮の葉が揺れています。
どこからともなく良い香りがして、ミンミンゼミの声も聞こえて来ました。
花はあの広い池に数えるほどしかまだ出ていませんでしたが、泣きそうになるような風景でした。
*薬師池公園の蓮の花*
この日は欲張って、もうひとつ蓮の花を見に行きました。
不忍池のそばから千代田線に乗ればそのまま小田急線の町田まで行けますから、いつか行こうと思っていた薬師池公園も訪ねることにしました。
今度は通勤ラッシュの電車に乗りました。郊外へ向かう電車も、この時間は満員です。
でも出勤とは違う休日の気楽さで、ちょっと電車内でうつらうつらしていました。
町田駅からバスに乗り薬師池公園バス停で降りると、目の前に広大な公園の森がありました。
少し坂道を登ると公園の入り口があり、そこからは今度はすり鉢状に下り坂の道を降りると、池のそばに出ました。
公園のある場所は多摩丘陵の南部で起伏が非常に激しく、公園付近は谷戸(暖沢谷戸)となり、東側・南側・西側は丘陵地の急な斜面で、北側は鶴見川に向けて緩やかな下りとある。
(Wikipedia「薬師池公園」「地理」)
「暖沢谷戸」、なんとなく広く日当たりの良い谷戸というイメージの名前ですね。
あまり人と行き交うこともなく静かな園内を歩いて大賀ハスの咲いている北側の池までいくと、バードウォッチングでしょうか、三脚を立てた人たちや蓮を見る人が集まっていました。
不忍池よりはこちらの方が開花していて、しばし幻想的な花の風景に惹きこまれていきました。
「沿革」を読むと、私が生まれた頃に「町田市が薬師池公園などを都市計画に決定」とあります。
昨年来、鎮守の森が守られ、公園が整備されていることに今まで以上に感謝することが増えました。
こうした公園などを守ることに少しでも協力できたら、きっと一世紀後二世紀後の社会への遺産になるかもしれない、そんなことを考えながら不忍池と薬師池公園の二つの池の蓮を一気に見た満足感で公園を後にしました。
「散歩をする」まとめはこちら。