10年ひとむかし 74 「知っている世代」と「知らない世代」

先日、偶然つけたテレビで、ロッチ中岡氏と澤部氏が駄菓子屋さんの店頭にあるパチンコ式のレトロゲーム見て、「これはどうやって遊ぶのか知らない」と言っていて愕然としました。

モヤさまだと、さま〜ずのおふたりがすぐに遊び始めるのですけれどね。

たしかに懐かしいゲーム機ではあるけれど、ちょっと珍しくなったというくらいで、「知らない」「遊び方がわからない」世代がいるとはと驚きました。

 

検索したらロッチ中岡氏は1977年生まれの42歳、澤部氏は1986年の34歳、さま〜ずのお二人は1967年生まれなので、この60年代から70年代生まれのひと世代ぐらいでの変化なのでしょうか。

 

先日も、一緒に勤務している20代の同僚に「もしかしたら国鉄からJRになった後に生まれたのか」とふと思いついて尋ねたら、「こくてつ?」という反応でした。

私には国鉄と私鉄が明確だった時代の記憶があるので、「JR」となった今でも「これは旧国鉄路線」とつい思い出しています。

そうか「国鉄とは何か」ということを知らない世代もいるのだと、世代間の見ているものの違いを感じたのでした。

 

平均寿命が80代後半まで伸びて一世紀生きる人も珍しくなくなったので、一つのものごとにも「それがなかった時代を知っている世代」「それができた時代を知っている世代」「名前は聞いたことがある程度に知っている世代」そして「知らない世代」が混在していることが増えたというのでしょうか。

平均寿命が50代の時代だと、「知らない」と言われて年齢の差に愕然とすることはもう少し少なかったのでしょうか。

そろそろ、私自身も図書館役の仲間入りをし始めたのかもしれませんね。

 

 

先日いろいろと思い出していた漫画についての記憶ですが、思えば1950年代後半から1960年代生まれぐらいだと、すでに子ども向けの雑誌や漫画、テレビのアニメが当たり前のようにありました。

日曜日にはサザエさんとかムーミンとか観ていましたし。

私の両親世代になると、子ども向けの漫画がないか、あってもごくごく少なかった時代だったでしょうから、自分の子どもが漫画に夢中になっていることをなんとも複雑な気持ちで見守っていた初めての世代だったのかもしれません。

 

反対に、私には「子ども向けの漫画がこの世になかった時代」は知らないわけで、その認識の差は大きいものだろうと思います。

「世代間の溝」と言われるものも、そのあたりから出てくるのでしょうか。

 

ただ、大正15年生まれの父の世代も、漫画がなかった世代ではないようです。

軍国少年としてエリート教育を受け、戦後も超がつくほどまじめだった父がのらくろについて楽しそうに話をしていた記憶があります。

あの時には、なんだか古臭い漫画に思えて聞き流してしまったのですが、今思えば残念なことでした。

あの当時、のらくろをどんな風に楽しんでいたのか、社会の雰囲気はどんなものだったのか、今では知りたいことが山のように出てきます。

 

知っている世代と知らない世代、それは「30年ひとむかし」ぐらいの差と言えるかもしれませんね。

 

 

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