昨年12月中旬に播磨国の川を見に行きましたが、あの頃は私もちょっとだけ本当に第6波があるのかなと疑ってしまうほど世の中は凪(なぎ)のような状況でした。
その1か月後には、勤務先でも分娩前後の方々のとりわけ上のお子さんとかからの感染での発症が急増し、退院や転院などにあたふたすることになるとは。
播磨国への散歩の途中で食事をするために入ったお店は、開店直後で男性が2人ほどいただけだったので離れてカウンターに座りました。
お酒を飲み始めたのか次第に声が大きくなり、「感染症の専門家や政府は何もわかっていないのではないか。ワクチンが本当に効いているのかもわからないじゃないか。人流がこんなに増えているのに、『感染力』は増えていないじゃないか」と不満を言い始めていました。
ああ、だから、食事の時に大きな声でのおしゃべりを止めるのがまず第一なのにと、せっかくの美味しいご飯を飲み込むようにしてお店を後にしました。
ほんと、少し状況が落ち着くと喉元過ぎれば、助けられたことも忘れて不満になるのは、旧約聖書の時代から変わらないですね。
その帰りの新幹線では近くに座った男性がマスクをしないままずっとお酒を飲んでいて、独りで静かに飲む分にはかわまないのですが、ずっと隣の人と喋っていました。
そういえば、12月の新幹線は車内でのアルコール類の販売見合わせの放送がありませんでした。
盛大にくしゃみをしたり大声になった時の飛沫が目に浮かびながら、品川までちょっと戦々恐々の気分でした。
*インフルエンザと同様、だから規制撤廃?*
最近、イギリスなどで規制撤廃の動きが報道されるようになりました。
ニュースではほとんどの人がマスクをしないで街を歩き、自由になったと嬉しそうな表情が映し出されているので、「なんで日本は・・・」と影響を受ける人がいるのではないかとちょっと心配ですね。
1980年代に来日したアメリカ人の友人が日本人はなぜマスクをしているのかとすごく警戒感を持っていたのですが、海外ではマスクに抵抗が強いのはなぜだろうと思い返しています。
彼の言った「アメリカではマスクが必要な人は病気なので、外に出ることもないし、マスクをしている人に近づくこともない」の「外に出ることもない」、ここが大事なポイントですね。
「インフルエンザや風邪と同じ」なら、なおさら外へは出ない。それが徹底できればの話ですね。
ただ、怖いのは無症状の人がいること。それにはどうするつもりなのでしょう。
BBCニュースの「英イングランド、コロナ規制を全廃へ 隔離期間は24日に廃止」(2022年2月22日)を読むと、一枚岩でもなさそうでした。
この計画について、英医師会(BMA)は、新型コロナウイルス感染症COVID-19の重症化リスクが最も高い人を保護できないと指摘した。
また野党は、ジョンソン首相が掲げるパンデミックからの脱却という青写真の実現を急ぎすぎているとし、無料検査の規模縮小に懸念を表明した。
イギリスの国家統計局(ONS)は先週、イングランドで推定20人に1人が新型ウイルスに感染していると発表した。
ウィッティー教授は、新型ウイルスに感染した人に対する公衆衛生上のアドバイスとして、他の多くの感染力の高い病気と同様に他人にうつさないように自主隔離すべきだとした。
政府の首席科学顧問、サー・パトリック・ヴァランスは、新型ウイルスは今後数年間進化を続けるとし、将来発生する変異株でオミクロン株より重症化しないという保証はないと警告。
イギリスの雰囲気はよくわからないけれど、なんだか首相の独走のような印象ですね。
もしかすると厳しいロックダウンではなく、日本のように外出を法律で規制せずに緩やかに進めていたら反応は違ったのかなとか想像していますが、それぞれの国の事情が違いますしね。
この感染症が落ち着くまでは数年ぐらいかかると思って、未曾有の事態に奔走してくださっている方々の苦悩に思いを馳せながら、わからないことに耐えながら生きるしかないですね。
喉元を過ぎると白か黒か言いたがるような雰囲気には要注意、出エジプト記に書いてあったことが目の前で繰り返されているようです。
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