散歩の1日目、夕食を取るために倉敷の街を歩きました。
アーケード街を少し外れると、昔ながらの家並みが結構残っていました。
駒形山の北側を行くと、昔祖父母の家に歩いて行った記憶が蘇ってくる道がありました。両側の家も、当時を思い出すような家々が残っています。半世紀前はここから数分も歩くと水田地帯で、しばらく歩くと祖父母の住む集落が見えてきたのでした。
夕陽が傾く夏の少し涼しくなった時間に、この辺りの白っぽい砂の道を歩いた時の稲穂の香りまで蘇ってくるような場所でした。
翌朝、7時42分の伯備線に乗るために駅に向かいました。
倉敷駅の駅前に観光案内図があります。
2018年からもう何度も見ているのですが、今朝は違って見えました。
思わず写真を撮りました。
*倉敷中心街鳥瞰絵図*
それは航空写真をイラストにしたような地図で、昨日歩いたあの家並みなどが精細に描かれているものです。
「寄贈倉敷ライオンズクラブ 認証50周年記念」とあり、2007年(平成19)の50周年記念式典に合わせて設置したもののようです。
15年ほど前の絵ですから、街並みも変化したことでしょう。
観光案内図であれば、街の変化に合わせて書き換える必要がありそうですが、なぜこの絵図を残そうとされたのでしょう。
昔からの少し濃いめの灰色の瓦屋根が、今よりは残っているようにも見えます。
一本一本の通りを辿っていくと、そこの生活までが記憶されているような不思議な絵図でした。
ジオラマやボタニカルアートのように、写真とも違うのに「ありのままが描かれている」とでもいうのでしょうか。
そしてそこに描かれているのは21世紀に入ってからの街並みだと思いますが、眺めていると1960年代から70年代ごろの倉敷が重なり合ってきました。
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