11時45分に特急つがるが秋田駅に到着しました。秋田市内も見てみたい場所はあるのですが、12時13分のこまちに乗って今回の散歩の最終目的地に向かいました。
大曲駅の手前に、雄物川と玉川が合流する場所があります。大曲駅はJR田沢湖線に乗り入れる秋田新幹線がスイッチバックで向きを変える駅です、どんな地形なのか川のそばを歩いてみたいと思っているのですが、川合は駅から少し遠いようです。
もう一つ、角館(かくのだて)駅の手前にも川合があります。桧木内川(ひのきないがわ)と玉川が合流した場所で、こちらは駅から30分ぐらいで行けるでしょうか。
その桧木内川を眺めていたら、右岸の山のそばに水路がいくつもに別れてその水路の間にお寺があったり、お蕎麦屋さんがある場所が目に入りました。
なんとも心惹かれる水の流れです。
水路をたどると、桧木内川が古城の辺りでぐいと蛇行する場所に取水口がありそうです。
ここを見てみたい。
これが、今回の最後の目的地です。
*こまちで角館へ*
大曲駅でのスイッチバックのため、後ろ向きに座って出発しました。
2019年に秋田新幹線に乗った時に、新幹線が在来線の線路を走るミニ新幹線を初めて知りました。
後ろ向きに遠ざかる風景の中に、秋田日赤病院が見えました。手前に水田地帯が広がり、水路が水を湛えて美しい風景です。周辺の家々の庭は春が終わりツツジが咲いていました。少し津軽の季節の花とも違うようです。
山あいに入ると遠くに雪が残る山が見えました。なんという山でしょうか。
大曲駅の手前は広々と水田地帯が広がり、美しい玉川を越えました。
大曲駅から田沢湖線に向きを変えて走り始めました。山が近く、整然と美しい水田地帯が広がり、水田の中にお墓や小さなお社が見えます。
もう乗っているだけでも幸せな気分で、あっという間の44分で角館駅に到着しました。
「武家屋敷等の建造物が数多く残されており」というように駅舎もその周辺も古い街並みの雰囲気に統一され、観光客がけっこう歩いていました。
*桧木内川右岸の分水路へ*
西側の武家屋敷が保存されている場所への観光客の流れから外れて、線路沿いに南へと向かいました。
「鼻白神社」という初めて目にした名前に惹かれて、ここが最初の目的地です。
角館は山の合間を切り開いたような場所で、この鼻白神社へも草むらをかき分けるように参道を登ったところにありました。
残念ながら御由緒は分かりませんでしたが、村の鎮守様でしょうか。
お社のすぐ上に角館市民センターが建っているのですが、その間は小さな崖なので一旦参道を下り、ヘアピンカーブの坂道を登らないとそこへ辿り着けないような高低差がある場所でした。
ここから川合まで直線距離で2kmぐらいですが、このアップダウンを見て、川合を訪ねるのは無理だとわかりました。
それでも、あの複雑な分水路は絶対に訪ねようと上り坂を歩いて先ほどの駅前に戻り、住宅街を抜けて川のそばに来ると、小規模ですが美しい水田が見えてきました。そばにある大曲養護学校の塀が白壁と黒瓦で美しくとても落ち着いた場所です。
ゆったりと山あいから流れてくる桧木内川は美しく、しばらく橋の上で眺めました。
お蕎麦屋さんと妙教寺の間を入ると、水音があちこちから聞こえてきます。
ちょうどお昼時なのでそのお蕎麦屋さんで食べようと計画していたのですが、残念ながらお休みでした。
その先数十メートルのところに、池のような湿地があって、その先に柵で囲まれた山沿いを流れてきた水路があり、その分水路の小さな水門がありました。
水路の中の水量はかなり多いのでしょう。そこから先は立ち入り禁止のようで、そばを歩くことは出来なさそうでした。
ここから四本ぐらいの用水路になって、この先桧木内川右岸の水田へと流れているようです。
いつ頃にできたものなのでしょう。
その歴史を知りたかったのですが、記録されているものは見つけられませんでした。
対岸の武家屋敷のある地域を眺めながら、桧木内川の堤防の上を歩きました。
堤防沿いにも水路があり、いくつか小さな水門があります。
誰がどのようにこの水路を守ってきたのでしょう。
そして雄物川も上流から下流へ、そして支流と本流をあちこち歩いてみたいと、また次々と計画ができてしまいました。困ったものです。
言葉にならないものに圧倒されながら、落ち着いた美しい角館の街を歩いて駅に戻り、今回の散歩が終わりました。
あ、やはりその水路の取水口まで歩くのは無理そうで、あきらめました。
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