うどんと蕎麦とどちらが好きかと問われたら、どちらも同じくらい好きです。
父は蕎麦が好き母はうどんが好きで、しかも両親は醤油の好みも濃口と薄口の違いがあった中で、私は薄口でも濃口でもうどんでも蕎麦でも好きと子どもの頃のちょっと引き裂かれるような感情を思い出す食べ物でもあります。
うどんと蕎麦も東西南北差のようなものがあるのかと思ったのですが、Wikipediaの「うどん」の「文化」によれば「蕎麦=東日本、うどん=西日本とするのは正しくない」と書かれていました。
遠出しても結局は親子丼と麺類のセットになることが多いのですが、その時の気分で全国津々浦々のうどんやお蕎麦の違いを味わっています。
特に意識したわけではないのに不思議とうどんは柔らかめのもので、「コシの強い」ものに当たったことはありません。
子どもの頃からうどんというとつるつるっと食べられる柔らかい食べ物でした。
初めて「これがコシが強いということなのか」と知ったのが、東貝塚で食べたとり天うどんでした。
お店が混んできたので早く食べなければと焦ったのに、食べるのに時間がかかりました。
あ、もしかすると注文してから40分ぐらい待つのは、食べ始めた人がゆっくりと食べられるようにということもあったのでしょうか。
*酒巻のコシの強いうどん*
利根大堰のあたりを地図で見ていると、うどんやお蕎麦のお店が道路沿いにいくつかありました。計画ではちょうどお昼時なので、どこかに入ってみようと思いました。
コミュニティバスに乗るために利根大堰から県道59号線を少し戻ると、お店がちょうど開店時間で入ってみました。
「孤独のグルメ」でコシを出すために足で踏んでいる場面があったことを思い出すようなお店です。
メニューには柔らかめにもできることが書かれていたので、東貝塚の経験からやわらかめを注文しましたが、十分にコシがあります。
五郎さんも必死で噛みながら食べていたのでしょうか。
最初は2人しかいなかったのにカウンターがどんどんと埋まってきたので、焦りながら噛みました。
キノコ汁と天ぷらと、ほんとうに美味しくてまた元気が出ました。
うどんは軽いおやつという感覚だったのですが、こういうコシの強いうどんはそのあとかなり歩いてもずっとお腹が空かず腹持ちが良いということもわかりました。
水田地帯を歩いているのに、熊谷からこの行田まで何件もうどん店を見かけます。
蕎麦は江戸で広がっていった。一方で関東地方でも、武蔵野や群馬県を中心として、それぞれの名物である「武蔵野うどん」や「水沢うどん」をはじめとする専門店も多い。実際、2004年度(平成16年度)のうどん生産量は、1位は日本全国に向けて宣伝している讃岐うどんの香川県だが、2位は埼玉県であり、群馬県もベスト5に入っている。これらの地域では、二毛作による小麦栽培が盛んで、日常的な食事であり、かけうどんや付け麺(もりうどん)にして食べられることが多い。
(Wikipedia「うどん」)
2019年に新幹線で通過するときに見えた麦秋の風景、そして利根加用水沿いの石碑にあった「従来米麦作に依存せさる農業」という半世紀前の様子がつながりました。
それにしてもコシの強さの好みはどんな地域差があるのでしょうか。
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