子どもだった頃は、夜というのは魑魅魍魎が出てとても怖い時間でした。
年とともに、世の中に怖いものが減って来たのは、おばさんになった証拠だと思っています。
それでも夜中の通勤はしたくないし、未だに怖いと感じるものの一つです。
日勤・準夜・深夜の三交代勤務をしたくないことの理由のひとつでもあります。
最初に勤務した総合病院は病院の敷地内に寮があり、夜間は外部から敷地内には一応入れないようになっていましたから、夜中に勤務を終えて寮に戻る時もそれほど恐怖はありませんでした。
おばけなんてこわくはないですからね。
たくさん人が亡くなる場所で、そんなものには出会う事もないので。
こわいのは人間の一部の男性です。
(男性の皆様方々、すみません)
次に勤務した民間の病院では、病院から歩いて2〜3分のところに寮がありました。
距離は近いのですが、薄暗いところがあって痴漢や露出狂が出没する場所がありました。
夜勤を終えて帰宅する時は誰も守ってくれませんから、一人でその道を全力疾走しなければなりませんでした。
その病院は変則三交代でしたから、真夜中ではなく22時台の帰宅です。
普通に遊んで帰る時もそれくらいですが、その時間でもこんなに変質者が出るのだから、夜中の0時に交代の病院では皆どうやって帰宅しているのだろうと思いました。
次に働いた総合病院は、夜中の0時交代でした。
0時から仕事が始まる訳ではなく、少なくとも30分前には病棟に入り、情報収集をしたり準備を始めるので、出勤は23時頃でした。
電車通勤をしていたのですが泥酔状態の人が多い時間で、酔っぱらいのいる車両を避けるようにしていました。
仕事中では患者さんの吐いたものや排泄物には抵抗も少ないのですが、駅周辺の夜中のあの汚さはダメなのです。
一生懸命片付けている駅職員の方々も同じ夜勤中だと思うと、本当に頭が下がります。
酔っぱらいには恐怖心を感じてしまいます。
駅から病院までは歩いて15分のところでした。
繁華街を抜けると、街灯は明るいのですが人通りがほとんどなくなります。
後ろから誰かが近づいてくるとビクビクして早足での通勤でした。
特に一人で歩いている男性だと、「痴漢やひったくりかもしれない」と犯罪者のように見えて恐怖感があります。(ほとんどの男性が、そう思われている事を腹立たしいと思うことも理解できるのですが)
帰りも終電に乗って帰る時間帯ですから、駅までは変質者に出会わないように走るようにして向かい、電車内は酔っぱらいを避けるのでした。
一番怖かった出来事は、朝方に帰宅した時のことでした。
準夜勤でお産が立て続けにあり、仕事が終わったのが真夜中の3時でした。
その病院では終電に間に合わなければタクシー代が出ましたので、クタクタになりながらもタクシーに乗って「あとは家に帰れば眠れる」と安堵したのでした。
自宅につく頃には白々と夜が明けていて、明るければ変質者には出会わないだろうと安心しきっていました。
自宅前でタクシーを止めて清算していたところに、突然、若い男性がタクシーの前に立ちはだかったのです。
目が据わっていました。
運転手さんも慌てて振り切るように車を発進して、近所を一回りしてからその男性がいなくなったことを確認してから自宅前で降ろしてくださいました。
いやあ、しばらくは心臓がバクバクしてましたね。
3交代は夜中の通勤をしなければいけないわけですが、こうした犯罪に遭遇したりヒヤリということは夜勤をしている女性ならほとんどの人が経験があるのではないでしょうか。
でも3交代か2交代かの議論では、あまり話題にされた記憶がありません。
夜勤が与える長期的な健康リスクより、こうしたいつ出会うかわからない変質者のリスクの方が、私には現実的に怖い話なのですけれど。
ほんと、夜中から明け方には人間の男性を狂わす魑魅魍魎がいるのかもしれません。
あ、今は2交代なのでこういう不安がなくなりました。
3交代夜勤をしている皆さん、夜中の通勤、怖くないですか?
夜勤についての記事のまとめはこちら。