さて、今年の私の夏(休み)の課題図書ですが、6月に出版された「産み育てと助産の歴史」(医学書院)です。
医学書院の書籍詳細の以下の部分を読むと、この本がどういう意図を持って書かれた本であるかがわかります。
変わりゆく出産の現場で、産婆や助産師はどのように関わってきたのだろうか?
本書は江戸末期から平成までの出産に携わる女性たちの歩んできた道を記している。
また、あまり語られることのなかった産師法や第二次世界大戦中の助産婦たちの活動に触れている。出産が医療化する以前までお産に携わってきた取り上げ婆、明治から昭和にかけて活動してきた産婆・助産婦、そして少子化社会の現代の助産師、それぞれが時代の流れに翻弄されながらも活動を続けてきた。その激動の歴史をそこに綴る。
助産師になったばかりの頃に出版されていたら、「すごい本に出会った」とときめいて隅から隅まで読んでいただろうなと思います。
でももう、私には助産師の世界に根強いびっくりな思想が見えてしまったので、この本もまた「ああ、その流れか」程度です。
目次と執筆者を見ても、自分たちの理想の出産や研究のために「助産師」に注目している方々なのだろうなと。
医療によって出産が安全になっていった時代に、助産婦が医師にのみ許された医療行為までせざるを得なかったことについて「本来助産婦に許されていない処置を行うのはNさんにとって大きなストレスだったと、当時のごく普通の助産婦の気持ちを掘り起こしてくださった研究者、伏見裕子氏がコラムを書かれているのが、かろうじて唯一の救いかもしれません。
ざっと目次に目を通すだけで、本当はまだ本を開かずにいます。
まあ、ここに書かれている「歴史」のような流れは、すでに読んだことがあるので、正直なところもう読みたくないという内容なのです。
それについては次回、ご紹介しようと思いますが。
それにしても「産み育て」という言葉のニュアンスは、マナブとマナビに似ていますね。
タイトルからして、検証を経た歴史が書かれた物ではなさそうという印象です。
あ、でもどんなに思想的に立場が異なっても、「この人はなぜこういう考えにいたったのか」までを読み進めていくあらたな読書スタイルに挑戦ですからね。