2月17日から新型コロナウイルスワクチンの先行接種が始まったニュースがありました。
その直前に、震度6強の地震や台風並みの低気圧通過があり、ワクチンを国の隅々まで途切れることなく低温に保ちながら届けるというのは本当に大変なことだと、改めて思いました。
この1年を振り返っても、最初は感染経路も何もわからない中から次々と予防方法や治療方法が確立され、さらにまだまだ先だと思っていたワクチンの開発のニュースがいつ頃からか聞こえてくることに、なんと魔法のような世界に生きているのだろうとしんみりと感動しています。
あのポリオの大流行から60年ほど経ちました。
*誰が臨床試験に参加したのだろう*
「新型コロナウイルス治療薬ーワクチンの開発動向のまとめ」(Answers News、2021年2月12日)を読むと、「米ファイザーと独ビオンテックのmRNAワクチンは、昨年12月に英国、米国、欧州などで承認(緊急使用許可や条件付き承認を含む)され、これまでに40カ国以上で承認を得ています」とありました。
そして、こう書かれています。
ファイザー/ビオンテックとモデルナのワクチンは、いずれも数万人規模で行われた臨床試験で95%前後の予防効果を示しました。
数万人ですから、すごいですね。
このお一人お一人は、どのような考え方がありこの治験に参加されたのでしょうか。
治験とか治験コーディネーターという言葉を耳にするようになったのは2000年代に入ってからだったように記憶しているのですが、臨床試験を実施しているのは専門性の高い医療機関でしたから、医療機関で働いていても私にはあまり実感がありませんでした。
むしろ、治験とか臨床試験を意識するようになったのが、代替医療と通常医療について考えはじめたときでした。
日頃使っている医薬品には、その臨床試験に参加している方々がいる。
副反応が自分に起こる可能性を理解した上で、臨床試験に参加されているからこそ、私たちは新たな医薬品の恩恵を受けることができるのですから、なんとすごいボランティア精神でしょうか。
経験的な話から「この量で効果があり、この量で毒となる」ことを証明するためには、この治験という段階がなくてはならないものになったこともまた驚異的に変化したことの一つですね。
「日本はなぜワクチン開発が遅れているのか」とか「ワクチン接種計画の遅れ」を批判している声を耳にすると、この治験に参加する意識が社会の中にどれだけあるかのような気がするのですが、どうなのでしょうか。
「実験のようなもの」まとめはこちら。