2年ほど前、北上川の美しい流れに魅かれて、水源はどこだろうと流れをたどっていたときに、北上川に並走する鉄道に気がつきました。
「IGRいわて銀河鉄道」で、途中県境を越えて青森県に入ると「青い森鉄道」になりますが、どちらもなんともロマンチックな名前です。
鉄道の歴史もど素人ですが、元は東北本線で東北新幹線ができてからは第三セクターになった区間だと想像がつきました。
あの40年前に、北海道へ行く時に青函連絡船を利用していた時代に、青森港へ向かう夜行列車で通過した区間です。
地図で北上川を辿ると、途中で支流の方が太い水色の線になって分かれるのですが、どんどんとさらに細い水色の線になり、IGRいわて銀河鉄道御堂駅の先でさらに細くなって忽然と消えます。
航空写真に切り替えると、その先には細長い谷津で水田がある方向のようで、車窓からも見ることができそうな場所でした。
「ここを見たい」、そのためだけにIGRいわて銀河鉄道に乗ろうという計画を2年前に立てました。
ただし第三セクターの鉄道なので、JRの一筆書き乗車券にできず、また東京ー盛岡間は535kmなので新幹線の往復割引の適応にもならず、チケット代を安くする方法を逡巡していました。
年に3回ほどの週末や連休に発売されるJR北海道とJR東日本共催の周遊パスだと、IGRいわて銀河鉄道や青い森鉄道、そして三陸鉄道など東北の第三セクターも含まれたフリーパスがあることを知りましたが、なかなか休みのタイミングが合わずにいました。
昨年と今年は、チケット代を安くすることよりも行けるタイミングを逃す方が大事、ということで今回の計画ができました。
ただ、もしかしたらえちごトキめき鉄道のように一筆書きに含めることが可能なこともあるので、少しばかり期待してみどりの窓口に行きましたが、あっけなく却下されたのでした。
でも初日から2日目の朝まであちこちの美しい風景を見た満足感で、すっかりチケット代のことはどうでもよくなりました。
*IGRいわて銀河鉄道で北上川の水源地へ*
盛岡駅を10時13分に出発する、IGRいわて銀河鉄道「金田一温泉行き」に乗りました。真新しい車両で、通勤用のロングシート席でした。出発する頃には座席は満席になりました。
北上川を見るのに、左右の車窓を行ったり来たりするのはちょっとはばかられる雰囲気です。
岩手県といえば、昨年、新型コロナウイルス感染の都道府県別感染者数が発表されるようになってからも、7月半ばまでずっとゼロの県でした。
その後も低い感染者数だった印象で、この前日もゼロの発表でしたが、すれ違う人みなマスク着用でした。
列車が出発するこ頃には、本降りの雨になりました。
青山、おしゃれな住宅街
厨川(くりやがわ)駅、北上川がぐんと近づく
ここからしばらく北上川の水面を見ることができるかと予想していたのですが、北上川との間は森に遮られ、その向こうには四十四ダムがあるようです。
しばらく右手は森になり、岩手県立大学と盛岡大学のある滝沢駅のあたりからは切り通しになりました。
ここで大学生や住民が下車し、乗客は少なくなりました。
姫神米の表示、鳥肌が立つような美しい水田地帯
山と畑、サイロのような家
土が真っ黒、紅葉
美しい水田地帯を、小さな流れになった北上川が蛇行していました。
岩手宮内駅の次がいよいよ御堂駅で、そのそばを流れる美しい小川のような北上川から目を離さずに、左右の車窓を行ったり来たりしているうちに、左手の林の手前を流れながら水田の向こうへと消えていきました。
大満足!
ちなみに岩手河口駅から御堂駅、そして奥中山温泉駅の手前まで、沿線には「地割」で表示された場所になっています。
車窓からでは、数字で表記された場所と地名のついた場所の違いはよくわかりませんでした。
*馬淵川へ*
次の奥中山温泉駅のあたりまでしばらく森の中の高台のような場所を走り、小繋駅の手前から地図には載っていない小さな川が鉄道と並走し始めました。
小繋駅の前から小さな川
水田地帯、河合
一戸、川美しい、段丘の丘、坂道
水田美しい
小繋川で、しばらくすると右手の平糠川と合流し、小鳥谷(こずや)駅の向こうで馬淵川に合流するようです。
そして馬淵川に沿って一戸、二戸という駅名になり、そして目時駅からは青い森鉄道に入り、三戸、そして八戸になります。
小学生の頃から「戸」がつく地名は印象に残っていて、この辺りもいつかは歩いてみたいと思っていました。
どの「戸」で途中下車しようかと、何度も地図を眺めているうちに、二戸駅の近くに馬淵川公園を見つけて決めました。
11時24分に二戸駅に到着した頃には、雨もぱらつく程度になっていました。
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