最近は無人駅でもだいたいはPASMOが使えますし、都内近郊の散歩では切符を購入することは稀でした。
あるいは新幹線の切符も簡単に駅の自動販売機で購入できますから、窓口で切符を最後に購入したのはいつのことだったか記憶にもありません。
本当に便利な時代になりました。
昨年から遠出をし始めたのですが、岡山や房総半島を回った時もPASMOがあればそれほど困ることもなく助かりました。
*久しぶりにみどりの窓口を使う*
ひたすら川と海を見に南紀を回ろうと思った時に、久しぶりにみどりの窓口で切符を購入してみました。
土地勘が全くないところなので時刻表だけで乗り継ぐのは不安だったことと、海側の席を予約したかったからでした。
ところでみどりの窓口という名称は、1960年代に始まったのですね。
1960年代までは、東海道新幹線や特急列車など優等列車の指定券や寝台券は列車ごとの台帳で管理され、空席紹介や予約に際して窓口から台帳の保有駅や総括する乗車券センターへ電話連絡していた。
この方式では指定券の発行に1ー2時間を要したり、同一座席を重複販売してしまうことがあった。
「台帳の保有駅や総括する乗車券センターへ電話連絡していた」、いつのことか思い出せないけれどこの情景を見た記憶があります。
おそらく東海道本線・山陽本線を乗り継いで祖父母の家へ行った頃や、大阪万博に新幹線で行った時の乗車券も、両親が半日がかりで最寄りの駅で切符を購入したのだと思います。
この半年間、八郎潟から新潟、分水、諏訪湖と天竜川そして北上川と、頻繁にみどりの窓口にお世話になりました。
私も申し込み用紙の記入方法に慣れてきたので、それを見て駅員さんがサクサクとパソコンで打ち込んで行くと、数分で乗車券から特急券まで購入できます。
時々、駅員さんにも馴染みのない駅名は手元の時刻表の地図で確認されていますが。
旅にかかる時間は、旅に出る前の準備の時間も含めて、夢のように短くなりました。
*一筆書き乗車券*
これまでは列車を乗り継いで遠出をすることがなかったので、南紀を回るときには乗り換え案内で検索した料金を足していきながら概算を出してみました。
ところが、窓口で購入すると私が予定していた額よりもだいぶ安いのです。
これが「遠距離逓減制」だと、最近になってようやく気づきました。
そしてもうひとつ、「一筆書き乗車券」という購入方法があることも初めて知りました。
ああ、だから木曽三川を回るときに、名古屋から桑名まではJRではなく近鉄を利用する予定だったので、駅員さんが少し残念そうに「この区間は?」と確認したのかもしれません。
名古屋から南紀を回って名古屋までを、JRで一筆書き乗車券にすればもう少し安くなる可能性がありました。
私が近鉄を利用したのは、その方が3つの川を見やすい場所を通過するからで、その時は「一筆書き乗車券」すら知らなかったのでした。
検索したら「汽車旅指南」というサイトの「これですべてわかる!お得な一筆書き乗車券の使い方」(2017年12月16日)がありました。
一筆書き乗車券というのは、「同一方向に連続する場合に限りこれを通算する」という片道切符で減額させるテクニックのようです。
・同一方向に連続する限り、通算できる
・環状線一周となる駅で打ち切る
・折り返しとなる駅で打ち切る
ですから南紀を回る場合、東京⇆名古屋間は往復になるので一筆書きの対象にはならないのですが、名古屋からぐるりと南紀を回って名古屋まではこの一筆書き乗車券で割引になるようです。
一筆書きだと、新幹線での往復はできないので遠回りをしながら時間がかかることになりますが、むしろ私のように川や海をひたすら見たい旅にはもってこいの方法です。
いつの間にか一筆書き乗車券に近い計画になっていました。
さて、そのサイトの「メモ」にこんなことが書かれています。
数学的な定義による一筆書きとはちょっと違います。
数学では同じ辺を2度通ってはいけないというだけで、点を通る回数については制限していません。
ところが片道乗車券の成立要件では、同じ区間を2度通ってはいけないし、同じ駅も2度通ってはいけません。ただし、着駅に限っては2度目に通る駅でも構いません、
ああ、まさかの苦手な話です。
そうか、一筆書きというのは数学の話なのですね。
まあ私の散歩は、みどりの窓口におまかせということで。
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