水のあれこれ 215 姫路の水道を歩く

今回の散歩の2日目は、昨年6月下旬に岡山から姫路まで回った時に行けなかった場所を訪ねます。

新幹線で姫路を通過する時に近くに見える姫路城ですが、歩くと結構ありました。その距離感の失敗から、前回訪ねるのを断念した男山配水池公園です。

 

姫路城の外堀のすぐそばにある小高い場所にある貯水池で、どこから取水しているのだろうと水色の線をたどって行くと、400mほど北、姫路城の北側に「町裏水源地」という浄水場らしい場所があります。さらに水色の線を辿っていくと、播但(ばんたん)線砥堀(とほり)駅からほど近い市川右岸に、取水口らしき場所があります。

姫路城への水の取り入れ方が、なんとなく想像できました。

 

さらに市川の上流へと辿っていくと、甲山(かぶとやま)浄水場があり「水の館」という資料館があるようです。

午前中は、ここを訪ねることにしました。

 

*砥堀へ*

 

8時46分に姫路駅からバスに乗りました。姫路城の外堀の内側を走るとカトリック教会とその学校がありました。駿府城の堀の内側にもカトリック系の学校があったことを思い出しました。明治時代あたりの「城内」に対する社会の変化でしょうか。

 

お城の雰囲気に合わせたちょっとおしゃれな3階建の姫路医療センターと消防署の横をすぎ、市街地を抜けると、白国南口バス停あたりから小高い山に沿って上り坂を走って行きます。

途中の交差点のビルと住宅に囲まれた場所に、なんと水田が残っていました。昔は棚田だったのでしょうか。

 

山肌に沿った場所に砥堀バス停があり、下車しました。踏切を渡り、地図で確認した取水口を目指しました。ここもまた住宅地の中に水田があり、その向こうに水路がありました。これがあの姫路城へと続く水路で、たどると取水口へ行けるはずだったのですが歩道がありません

迂回すると次のバスに間に合わなくなりそうだったので、引き返しました。

 

*甲山浄水場へ*

 

再び、砥堀バス停から江鮒団地行きのバスに乗りました。「江鮒」、いかにも川との歴史がありそうな地名です。

バスは西側の山肌が迫るような場所を、市川右岸に沿って走ります。山から水が流れてきて、その先に水田があります。

「そうめん滝」「古墳」「遊歩道」という表示が見え、途中下車したくなりますね。

 

しばらくすると市川の両岸ともに平地が広がる場所に出て、バスは聖マリア病院に立ち寄りました。

産科と小児科は別棟になっているのが見えました。新卒を取り巻く環境にあるように、90年代からの集約化によって「地域周産期母子センターでも、混合病棟で運営している施設もあり」、空床があると他科の患者を受け入れるので本来の業務ではない看護もせざるをえない時代になりました。

独立した施設で、それぞれの看護の専門性が保たれることはうらやましいと思いながら通過しました。

 

仕事のことに意識が向いているうちに、バスは大きな橋を渡り、対岸の小高い場所へと登り始めました。大きなため池もあります。

水田地帯が広がり水路が張り巡らされ、美しい農村地帯になりました。

市川の流れが下に見えるような場所になり、対岸にネスレ姫路工場が見え、終点の江鮒団地前につきました。

 

あの1961年のコーヒー輸入自由化によって1965年にできた工場でした。

ネスレのHPに、田園地帯にポツンと工場ができた当時の写真が載っていました。その地域とともに歴史を持つ工場に対して、何も知らないままネスレ批判の雰囲気に加担しそうになったことにヒヤリとました。

またまた仕事のことを思い出していましました。

 

団地の前の甲山の頂上に、八幡神社があるようです。そこに参拝しようかと思いましたが、見上げる高さだったので断念しました。

そのふもとをぐるりとまわっていくと、公園のそばに小さな社がありました。もしかしたら、頂上まで参拝に行けない人のためかもしれません。

 

さらにぐるりとふもとを歩くと、甲山浄水場がありました。残念ながら水の館という資料館まで行くと、予定のバスに乗れそうもありません。

甲山浄水場の周囲を歩き、美しい市川の水面を眺めて、またバス停に戻りました。

 

 

なんだかまた「いけなかった場所」が増えてしまいましたが、姫路周辺の水の流れや街の雰囲気を見ることができました。

 

 

 

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