散歩をする 394 鴨川(埼玉県)沿いの堤防を歩く

4月上旬、12時台の湘南新宿ラインで大宮へ向かいました。休みの散歩は、ロングシートの向かい合った人と目が合わないようにするストレスから解放されて車窓の風景に集中できるので、奮発してグリーン車です。

沿線は満開の桜、土手にはレンギョウハナニラ、名前がわからない色とりどりの草花が咲いています。なんと美しい世界でしょうか。

あっという間に36分のちょっとぜいたくなグリーン車の旅が終わり、大宮に到着しました。

 

水判土バス停で下車し、「鴨川」に向かいました。

ついつい京都の観光用の「鴨川」の情景が思い浮かんでしまうので、あまり期待していなかったのですが、目の前に現れた鴨川は、両岸が満開の桜と緑の土手にゆったりと水が流れていました。

一瞬、「私はどこに来たのだろう」と、ちょっと鳥肌が立つような風景でした。

 

*鴨川みずべの里*

 

堀の内橋を渡り、鴨川左岸側の公園を目指しました。

水田には水が張られていて、田植えの時期が近づいているようです。

鴨川から200mほどのところに、雑木林が残っていてそこが「彩の国音かおりの里」の「鴨川みずべの公園」でした。Wikipedia鴨川(埼玉県)によると、1990年代に鴨川の旧河道に沿ってつくられた公園のようです。

公園には「雨水流出抑制施設」も併設されていることが表示されていました。

 

稲荷塚古墳に立ち寄る計画でしたが、想像以上の美しい風景に、今回はそのまま川岸を歩くことにしました。

学校のグラウンドとの間の細い道を川に向かって歩くと、公園の続きでしょうか、水辺ギリギリまで下りれるようにおそらく旧河道の水辺を生かした場所が続いています。

しばらく桜の花びらの道を歩くと、湿地に木の遊歩道が渡された関沼木道が整備されていました。

 

周辺は水田や畑も残り、地元の方達でしょうか、のんびりと散策されています。

 

途中には、「水の浄化」という大きな説明板もありました。

ここ鴨川では、近年の都市化の進展により、水の汚れが急速に進みました。

この汚れた水をきれいにするためには、水中の微生物や植物などを利用する方法があります。ここでは、これらの方法を紹介するため、浄化モデル水路を設置しています。

 

散歩をしながら自分が生活をしている場を知ることができるようになったことに、社会に知識が浸透するまでの時間差はあるにしても、確実に90年代初めの頃に比べれば社会が変化したことを感じました。

 

 

*鴨川の堤防を歩く*

 

公園が終わるあたりで鴨川の右岸側に渡り、ここからは堤防の上を歩きました。

堤防は嵩上げされたのでしょうか、少し高い堤防で、水田が見渡せます。鴨川の川面よりも両岸の水田の方が高い位置にありました。そのためでしょうか、ところどころに水門があり小さなポンプ室がありました。

 

土手には菜の花が満開です。菜の花の黄色は、永劫均一の色ではないかと思うほど、どこに行ってもいつの時代にも同じ黄色ですね。まるで手品のようです。

水面に近い場所はコンクリートで護岸されていますが、その上は土の道が続いていて、草を踏み分けながら歩きました。歩いても歩いても、むしろ先にまだ堤防が続いていることが楽しい道でした。

利根運河にちょっと風景が似ていました。

 

在家橋を過ぎたあたりの水田地帯が広がっている右岸側では堤防工事が行われていたので、左岸へと渡りました。

この辺りはほとんど高低差がないので、ずっとずっと東側の下流の方が曇っていることまで見渡せました。

 

千貫樋が近づいてきたのでまた右岸側へと渡ると、堤防が二段になっていて改修工事中でした。

堤防の中間は車が一台通れるぐらいの道があり、トラックがその工事箇所まで数百メートルほどバックで土砂を運んでいました。ちょっとハンドル操作を間違えれば川の中に落ちてしまう、見ているほうがドキドキする運転技術です。一日に何往復して、こうした場所の改修工事が行われるのでしょう。

すごい世界ですね。

 

出かける前は、彩湖の近くと同じ風景だろうぐらいに思っていたのですが、実際に歩いてみるとそれぞれの地域のそれぞれの歴史を感じる堤防上の充実した散歩になりました。

 

 

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