食べるということ 81 長崎ちゃんぽんと長崎ちゃんめん

初めて長崎ちゃんぽんを食べたのは1970年代初めの頃、たしか中学校の入学式のあと、母と友人そして友人の母親の4人で食べに行きました。底冷えのする寒い日でした。

なぜか長崎からは遠く離れた地方の小さな街の小学校の近くに、当時はとても珍しい長崎ちゃんぽんを出すお店がありました。野菜が山盛りで、当時ご馳走だったインスタントラーメンのしょうゆ味・味噌味・塩味とも違う白っぽいコッテリとしたスープで、なんとも歯ごたえの良い生麺でした。

 

今でもその情景と味を懐かしく思い出します。

まだ、長崎ちゃんぽんが全国にチェーン店で広まる前だったと思います。

 

 

1980年代初頭、佐賀の友人宅に泊まらせてもらった時に、お父様がちゃんぽんを食べに連れて行ってくださった記憶があります。あれが人生で2回目の長崎ちゃんぽんでした。長崎から佐賀の友人宅へ行きましたが、長崎ではちゃんぽんを食べた記憶がないのは、当時はまだ女性が一人で食べる雰囲気ではなかったからかもしれません。

 

昨年、佐賀から長崎を回った時にも本場の長崎ちゃんぽんを食べることを楽しみにしていました。

佐賀のクリークを見て歩く計画で、蓮池公園から佐賀江川のあたりに長崎ちゃんぽんのお店があることをチェックしていました。暑さのために計画を変更することが多かったので、結局、食べずじまいでした。

 

 

防府長崎ちゃんめん

 

さて今回の2泊3日の散歩は、お昼ご飯は食べそびれて非常食のおにぎりに助けられました。

 

1日目の防府では、佐波川の円筒分水から防府天満宮、佐波神社まで歩き、ホテルの近くで早めの夕食を食べようと思いましたが、16時すぎだったので地元のお店はまだ開いていません。

長崎ちゃんめん」というチェーン店らしいお店がありました。もう空腹と暑さと疲労の限界で野菜もたくさん食べたい気分だったので、全国展開っぽいお店でもいいかと思って入りました。

 

ちゃんぽんではなくちゃんめんってなんだろう。

とりあえず野菜ちゃんめんの小と餃子、そして生ビールを頼みました。

大盛りかと思うような野菜がたっぷりのちゃんめんが来ました。あの人生で初めて食べた長崎ちゃんぽんを思い出すような味で、満足してお店を出ました。

 

長崎ちゃんめんちゃんぽんの違いは麺が違うことと、全国展開を最初に始めたのがこの長崎ちゃんめんの方だということがお店に書かれていました。

 

*今回は1日目も2日目も全く同じものを食べた*

 

さて、2日目のお昼はやはり食べそびれて、新山口駅で新幹線を眺めながらおにぎりを食べました。今日こそどこかお店に入って旅先の食事らしい食事をガツンと食べようと思っていましたが、雨と寒さで予定していた小野田駅近くのお店に入ることは諦め、厚狭駅の近くで食べることにしました。

 

1日目の夜に長崎ちゃんめんを検索していたら、その1号店が厚狭にあることを知りました。翌日泊まる場所ですからなんと奇遇と思いましたが、さすがに2日間同じものを食べることはないですね。

 

さて2日目、空腹と疲労とさらに寒さもあって、厚狭駅に降りた時には長崎ちゃんめんの方へと歩き出していました。

そして新幹線と山陽本線の列車を眺めながら、昨日と全く同じものを食べ、その美味しさと野菜がたっぷりとに入っていることに満足したのでした。

 

長崎ちゃんぽんが広がって半世紀ほど、新たな食べ物が受け入れられて広がっていくようすは興味深いですね。

 

 

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