ゴーヤの種を食べる話をメロン記念日さんがコメントしてくださったことから、この果物のことを書こうと思いつきました。
メロン記念日さん、ありがとうございます。
海外の果物や野菜が豊富に手に入るようになった日本ですが、さすがにまだこのジャックフルーツはなじみがないのではないかと思います。
一度、新宿の果物屋さんでみかけたことがありますが、誰が買うのだろうと興味深く思いました。
私がこのジャックフルーツに初めてであったのは1990年代初めの頃でした。
80年代半ばに同じ国の別のところで暮らしていた時には一度も食べたことがなかったので、広がり方にも地域差があるのかもしれません。
それにしてもインターネットは便利ですね。ジャックフルーツで検索するとあっという間にいろいろな話を読む事ができます。
90年代はこんなに情報がなかったので、今回初めてジャックフルーツについて知ることばかりでした。
特に「世界最大の果物」と言われていることは、なるほどと思いました。
私が市場でよく見かけていたものも、ほとんどスイカよりも大きいサイズでした。ちなみにスイカは平均3〜5kgとのことなので、少なくとも6〜7kgはあったと思います。たしかに市場でもそれ以上の果物は見かけませんでした。
村に出かけるとジャックフルーツが庭に植えられている家がけっこうあって、実際になっているところをみるとまた驚きです。
wikipediaの写真にあるように、それだけ大きい実がひょいっと幹から直接なっているのです。
幹や太い枝に連なってぶら下がる果実は長さ70cm、幅40cm、重さ40〜50kgにも達することもあり、世界最大の果実ともいわれる。
大きさにも驚きでしたが、この実のなり方もまたダイナミックで印象に残った果物でした。
<果物としてのジャックフルーツ>
正直なところ、このジャックフルーツを初めて食べた時の記憶がまったくありません。
市場ではよくみかけていたけれど、よその国の知らない食べ物を買うのはやはり勇気がいりますから、おそらくたまたま友人に勧められて食べてみたのだろうと思います。
それだけ大きい果実ですから1個ずつ売られているわけではなく、カットされています。
どのようにカットするのか、「世界最大の”ジャックフルーツ”解体に挑む」という記事に写真つきでわかりやすく紹介されていました。
4〜5cmぐらいの大きい種の周りについている黄色い果肉を食べます。
その部分も少しベタベタした感じがありますが、リンク先をみると外皮の部分は「尋常でない」ほどベタベタするようです。
果物のにおいはガムの香料のように感じて、最初は「なんだか人工的な味」という印象でした。
もしかしたら「ジャックフルーツ」ではなく「ジャンクフルーツ」の聞き間違いかと思ったほど、私には想定外の味でした。
でも味は淡白であとを引くおいしさだったので、市場や街角でカットされていたものが売られているとよく買って食べていました。
<野菜としてのジャックフルーツ>
80年代半ばに住んだその国の別の地域では野菜を使った料理が少なく肉が好まれていて、同僚だった現地の看護師は「野菜は貧乏人の食べ物」とはばかる事なく言っていました。
90年代に同じ国の別の地域で暮らした時には、豊富な野菜と料理の数々に野菜好きの私は歓喜して、市場の中にある食堂でいろいろ料理を堪能しました。
ただ、実際に野菜もそれほど安いわけではないですし、「『貧乏人』は野菜も肉も魚も卵も、そして米も果物もそれほど食べられない。塩さえも買えない」のがこの国の現実だということをこの時には知った上での生活でした。
さて、その市場の食堂で気に入ったのがジャックフルーツをココナッツミルクで料理したものでした。
熟した果肉や仮種皮は甘く、生で食用とされる。樹脂分を含みみずみずしさには乏しいが、弾力や粘りのある食感がある。未熟な果実は野菜として、タイ料理、ベトナム料理やインドネシア料理などで煮物、炒め物などに使われる。種は焼くか茹でることで食用にされる。
果実になる前の実をあの大きな種ごとココナッツミルクで煮てありました。
野菜としてのジャックフルーツは、ガムの香料のような味もありません。
日本の野菜で似ているものないかと考えてみても思いつかないのですが、歯触りは白菜とか葉ものに近いでしょうか。
そして果実の時には捨てていたあの大きな種が、見事にほくほくとしておいしいのです。
こちらは、生落花生を塩ゆでにした感じです。
1年を通して収穫されていたと記憶していますが、あの大きな実をカットして販売するので「売り切れごめん」のことも多く、手に入ればラッキーという感じでした。
東南アジアのダイナミックな植物として思い出すもののひとつです。
「世界はひろいな」まとめはこちら。