ケアとは何か 36 「コロナ禍での育児支援を学ぼう」

東京都看護協会から研修のお知らせを見たときには、のどから手が出るほど欲しい研修かと期待しました。

 

未曾有の感染症拡大で刻々と状況が変化し、情報が錯乱している中で、この時期に妊娠・出産し子どもを育てていくことはどんな大変さがあり、どんな支援や解決策があるのだろう。

毎日接しているお母さんたちに時々、どんなことが大変ですかと尋ねてみるのですが、まだまだ言葉にならないことが多いようです。

 

影響は複雑で幅広いので、こういう時に全体像を把握するのは本当に大変です。

「こういうことが問題かもしれない」と思っても、勝手な思い込みではダメですから、きちんとした調査という手順を踏んだものが欲しいところです。

 

ただ勤務先でも通常業務に加えて新型コロナ対応で業務量が増えていますから、どこまでその実態調査に協力できるかといえば、いっぱいいっぱいです。

そして観察を言語にして記録する訓練をされているスタッフもほとんどいないでしょうから、ほんとうに正確に調査に協力できたかどうかという点も問題かもしれません。

私の言いたいことを書くだけではダメでですからね。

 

それでも、もし現状はどうですか?と尋ねてまとめてくれる機関があれば、本当にありがたいことです。

 

「コロナ禍での育児支援を学ぼう」

このタイトルからまず期待した内容といえば、分娩施設での面会制限が厳しくなった中で各施設の面会の変化と影響はどうかとか、感染症で妊産婦さんや家族の生活にどんな変化や問題があるのかとか、あるいは兄・姉から新生児への感染はあるのかこんなことも起こるのかというリスクマネージメントの情報などです。

もちろん情報が少ないことにも耐え、観察が大事で理論化を急いではいけないということは、こういう非常時には特に大事なことかもしれません。

 

 

そして観察とは、きちんと事実を把握し記録する経験を積んだことでしか得られないものですね。

看護も看護学を基礎とするのであれば、症例報告からケアのニーズを導き出すシステムが基本になるとよいのですが。

 

さて、「コロナ禍での育児支援」というタイトルで「ゆがみ」の話になり、受講料も「会員3,300円、非会員6,600円」の受講料を取るのであれば、それは資格商売からバイブル商売への誘導ではないでしょうか。

 

 周産期三学会合同ガイドラインには代替療法について書かれるようになったというのに、看護の世界ではあのホメオパシーの何が問題だったのか、理解できていないということでしょうか。

 

 

 

 

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