散歩をする 371 「三角半島」をぐるり

熊本駅は黒い木造を模したおしゃれな建物でした。熊本県は黒が似合いますね。

 

散歩の2日目はここから熊本の郊外の干拓地や海岸沿いを通ることができるJR三角線の車窓の散歩と、三角駅から今度は半島の南側をバスぐるりと宇城市へ出て、そこから八代の干拓地を見て宿泊する八代市内へ向かうというものでした。

それで「三角半島をまわり八代へ行こう」と書いたのですが、こうして記録をまとめていると大きな間違いに気づきました。

「三角半島」はなくて、宇土半島というのですね。

「長崎市はこのあたり」と佐世保と勘違いしていたり地図が大好きなんて大きな声で言えません。

 

 

*緑川河口の干拓地*

 

11時35分熊本駅を発車する三角線三角行きに乗りました。一両ですが混んでいたので、最後尾の窓の近くに立ちました。

 

しばらく九州新幹線の高架橋と並走しながら住宅地を走ると、幹線水路のような川を渡り、水田地帯が見えてきました。川尻駅を越えると加瀬川を渡り、緑川そして浜戸川と大きな川が複雑に流れこむ場所です。

地図を眺めているときに、ぜひここを歩いてみたいと思っていました。

 

 

用水路が張り巡らされた広大な水田地帯の風景が続き、住宅地の中にある宇土駅鹿児島本線と別れてぐいと西へと三角線が向きを変えました。

走潟という場所が水路を隔てて近づき、そして新開町を通過しました。

いかにも干拓地という地名ですね。ここも見てみたかったのでした。

 

住吉駅の手前には古い集落でしょうか、落ち着いた街並みが見え、魚の鴟尾(しび)が見えました。

そこを過ぎると有明海の海岸線に近づき、反対側は山が迫ってくる場所を走ります。

目の前に前日からの大雨で薄茶色に濁った海が広がっています。内湾で穏やかなイメージでしたが、さすがに白波が立っていました。

その向こうに少しだけ雲仙岳が見えました。

 

肥後長浜駅では海苔の養殖場らしき場所が見え、海の近くに水田もありました。

「あみだ」駅かと思ったら「網田(おうだ)」駅で、そこを過ぎると列車は山の中の高台へと入りました。

赤瀬駅を過ぎトンネルを出ると、次は石打ダム駅で電話と道路についての何か古い記念碑が沿線に見えました。

このあたりで突然GPSがおかしくなって現在地点が有明海のど真ん中を示すようになり、また元に戻ったあたりで波多浦の水田地帯が広がり、稲が美しい風景になりました。

42分の三角線の車窓の散歩が終わって、12時27分に三角駅に到着しました。

 

目の前の海は天草の島々に囲まれた八代海で、瀬戸内海の風景に似ていました。

 

ちょうどお昼時です。地図で見つけた天草ちゃんぽんのお店に向かいましたが、なんと閉まっています。また幻の食事ができてしまいました。

近くの物産店に食堂がありました。

注文を取る人と調理をする人、そしてその二人をサポートする人がいるようで、どうやら作業所的な雰囲気です。近くで働く人たちもけっこう利用しているようでした。

熱々の魚のフライ定食を美味しくいただきました。

 

そして有明海の海苔を購入しました。

 

 

*バスで半島の南側を走る*

 

駅前にあるバス営業所から改めてJR三角駅を見ると、屋根に十字架があってまるで教会のような建物でした。2011年の「A列車」運行開始に合わせて改装したようです。

「A列車」、10年前はまだこんなに自分があちこちに出かけるようになるとは思ってもいなかったので、全く記憶になかったのでした。

 

駅前の海岸近くから13時20分発の松橋産交行きバスに乗りました。

「松橋産交」ってどんなところだろうと検索しているうちに、そういえば2年前に人吉市のバスが水没した会社だったとつながりました。

 

ここまでは雨が上がっていたのですが、また小雨が降り始めて、なんとなく西の方が暗くなっています。

 

走り出したバスはぐいぐいと高台へと上り始めました。

済生会病院、高台、病院まで切り通しの上り道

内陸に水田

涼松、一面に稲穂。収穫間近な感じ

ブルーベリーが植わっている

 

それまで2人ぐらい乗っていたのが、ここから私一人になりました。

農協前から上り、海へ、対岸の工場地帯が見える

地図では海沿いの道に見えたが、高台

御船手前、瓦が美しい漁村

漁港、バスでぎりぎり通れるくらいの細い道

八代海、茶色く荒れている

複雑な海岸線、上っては下り、果樹園多い

途中、バス同士行き違い待ち

救の浦、大きな水門

八代の干拓地の堤防が近くに見え始める

松倉の街並み、船溜り、松合土蔵白壁群

対岸に九州新幹線が通過

宇城側の干拓地、田植え後1ヶ月ぐらい

14時30分、松橋産交到着

 

宇城側の干拓地のあたりが、地図では「不知火」です。不知火(しらぬい)は子どもの頃から聞いたことがある地名でしたが、初めてその意味と場所がわかりました。

 

念願の半島をぐるりと見ることができました。

 

 

バスに乗っている間はまだ小雨だったのに、松橋産交に到着した途端ザーザー降りになりました。

どうやら線状降水帯の合間で、まだ終わっていなかったようです。

 

 

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