散歩をする 390 ただひたすら川と溜池と水路を見に〜奈良・和歌山・大阪〜

8月下旬のツルボを見に平城宮を訪ねたのに1本もみることができなかった散歩でしたが、現在も古墳の周濠や古くからの溜池の水が水田を潤している風景に再び奈良を訪ねたくなりました。

 

時間切れで途中下車できなかった万葉まほろば線沿線にはたくさんの古墳と溜池があります。

古墳をいくつか訪ねそこからの水路をたどり、三輪駅からは前回あきらめた大和川沿いに歩いてみよう。

ぐるりと回って近鉄尼ヶ辻駅の近くの古墳も訪ね、平城宮跡の壮大な景色をいつか近鉄線の車窓から眺めると言う夢を実行しようと1日目の計画が出来ました。

 

2日目は奈良南部へ向かいいつか歩いてみたいと思った吉野川を訪ね、そのあと和歌山線の車窓から吉野川紀の川へと変わる風景を眺めました。1990年代半ばに和歌山市内を訪ねたのですが、どのあたりだったのか記憶が曖昧です。地図を眺めていたら和歌川を見つけました。

たどると南の方に「和歌の浦」があり、そこに和歌川が流れ込んでいます。ああ、もしかすると現在の紀の川河口のあたりは放水路なのかもしれない。

和歌山市内の地形をこの目で確認したくなりました。

 

*期せずして行基の治水事業をたどる散歩になった*

 

3日目は和歌山から海岸線沿いに南海電鉄で大阪へ出て、貝塚周辺の溜池が多い地帯を歩いてみようという計画です。

水間鉄道に乗ってみたいというだけで決めたのですが、そこに行基が造ったという水路がありました。

そのあと訪ねた久米田池もまた行基によるものという偶然が重なりました。

 

ところで「あの日」、ニュースで近鉄大和西大寺駅という名前を聞いた時に、ツルボを見にいく計画で下車する予定でしたからどのあたりかすぐにわかりました。そこで生活をしていらっしゃる方はどんなお気持ちかと逡巡し、8月は計画からはずしました。

 

1日目に尼が辻駅で下車しようと計画したのは、古墳の近くに行基が建てた喜光寺があることを地図で見つけたからでした。今回は近鉄大和西大寺駅まで歩き、近鉄線に乗って平城宮跡を車窓から見ることができました。

 

3年ほど前に琵琶湖から流れ出る瀬田川を訪ねた時に、「大日山(だいにちやま)を切り取ろうとした」という大胆な治水の発想にその名前が印象に残りました。

川や水路や溜池をつなぎながらなんとなく立てた計画でしたが、行く先々で期せずして行基の名前を見ることになりました。

 

奈良時代から現代の治水についてたくさんのことを知る機会になり、次の計画がまたいくつかできました。

 

ということで、晩秋の水田や水路の風景を眺めに出かけた11月初旬の二泊三日の遠出の記録がしばらく続きます。

 

 

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