昨年は全国で冬眠もしない熊出没のニュースが多かったので、川や用水路や田んぼを訪ねるのは躊躇していました。
奈良県は南部の山中では生息しているようですが、奈良盆地周辺での出没のニュースは耳にしないので1月に入ってそろそろ遠出を再開しようと思いました。
大阪府の「大阪府周辺部でのツキノワグマ出没情報」をみても、北部の京都や兵庫寄りでは出没するようですが、大和川のあたりは大丈夫そうです。
真冬の奈良を経験してみたい、いつか大和川の全域を歩いてみたいという計画がありました。
2020年に久しぶりに奈良を訪ねたのですが、大和川に沿って広大な水田地帯が今も残っていることが印象に残りました。てっきり大和川の豊かな水によるものだろうと思っていたところ、いにしえより水に乏しくそのためにため池や古墳のまわりに水を貯める周濠がたくさん地図に描かれていることを知りました。
現在の水田を潤しているのは山を隔てた吉野川からで、「大和豊年米食わず」といわれた大和平野はこの半世紀ほどで豊かな水田地帯になったのでした。
2022年秋には山の間を流れ出てくる大和朝倉駅のあたりを歩いたのですが、いつかここから奈良盆地を斜めに流れる大和川を歩きたいという無謀な計画がありました。
さらにまた山の間を抜けて大阪府に入るとそこには周濠のある古墳が大和川沿いにあります。
かつてはそのあたりから旧大和川は北西へと流れを変えていたようです。
現在の大和川の河口近くにも百舌鳥古墳群があり、その南東には大小さまざまな無数のため池が散りばめられた地域があります。
大阪の周濠やため池も歩き尽くしたいという無謀なことを思い付いては地図を眺めていました。
百舌鳥の近くへ行くのであれば、行基さんの生まれた場所も訪ねたい。
そうだ天気予報で耳にした宇陀地方も訪ねてみたい。
平城宮跡に咲き乱れるツルボを見逃さないために奈良に住んでみたいというかないそうにない夢だけれど、冬の寒さはどんな感じか経験してみたい。
次から次へとつながって、久しぶりの遠出なので思いきって3泊4日にしました。
詰め込みすぎでまたまたやり残した宿題が増えましたが、冬の大和川沿いの美しい風景と歴史に充実した散歩になりました。
というわけで1月中旬に大和川沿いを歩いた散歩の記録がしばらく続きます。
「散歩をする」まとめはこちら。
周濠についてのまとめはこちら。