生活のあれこれ 26 ため池とともに生活する

JR城端線沿線の美しい車窓の風景を見てからホテルに入りました。

まずはその地域のニュースと天気予報を観ることも遠出の醍醐味です。

 

その名も「チューリップテレビ」をつけたら、氷見のため池の決壊のニュースを伝えていました。

頼りの水が垂れ流しに…”ため池決壊”で農家は悲鳴!田植えを前にどうする!富山・氷見市

8日の大雨の影響で、富山県の山あいにある農業用ため池が決壊しました。田植えの時期を迎え、農家にとって大打撃です。

川縁大雅記者:「氷見市の山間にある農業用のため池が決壊し、水があふれ続けています」

決壊したのは、富山県氷見市坪池にある農業用のため池、「下長池」です。8日午前8時50分ごろ、ため池の堤防が幅10メートル、高さ6メートルにわたって崩れているのを近くの住民が確認しました。近くの田んぼでは、あちこちに決壊の影響が…。

記者:「決壊したため池から数百メートル下に下りた場所にあるこちらの田んぼには泥水が流れ込んでいます」

田んぼは一面が茶色くにごり、ペットボトルのゴミも…。さらに、ほかの田んぼでは…。

記者:「こちらの田んぼも土砂が流れ込み、見るも無残な姿になっています」

流れ着いて散乱する岩が当時の濁流の激しさを物語ります。

坪池地区 水上尚司区長:「この水頼りにしている人何人もおるから。厳しいですね。農家にとっては」

坪池地区の水上区長によりますと、このため池の水は、およそ2ヘクタールの水田にひかれていて、山間部のこの地区ではこれから田植えを迎えますが今後、コメがつくれるかどうか頭を悩ませます。

坪池地区 水上尚司区長:「市役所には早急に対策をお願いはしてみたけれど、今後どういう風になるかは検討中かなと…」

氷見市によりますと、ため池の堤防を修復するには、一度、水を全て抜く必要があり、国や県の支援を得られないと復旧は難しいとみています。

9日、現地を確認した氷見市の担当者は、崩壊した場所にブルーシートを覆う処置を取ったということです。今後、仮設パイプなどを設置し、水田に水が供給されるよう対応を検討していますが、復旧のめどはたっていません。

チューリップテレビ、ホームページより、2023年5月9日20:30)

 

この日の昼頃に歩いていた十二町潟から西へ直線距離で10kmぐらいのところにある石川県との県境に近い集落では、ため池決壊の対応に追われていたようです。

 

 

*「何十年もなかったこと」*

 

検索すると、中日新聞の「大雨 ため池決壊 氷見」(2023年5月9日)の記事がありました。

 富山県氷見市は六、七の両日の大雨により、同市坪池のため池「下長池」が決壊したと八日発表した。泥水が水田に入るなどの被害が出た。石川県珠洲市震度6強氷見市で震度4を観測した五日の地震の影響は不明としている。

 市によると、高さ六メートルの堤の東側が幅十メートルにわたって崩壊した。貯水能力は八千立方メートル。三分の一の水が流出し、土砂を含んで約二キロ下流まで流れた。発生は七日午後六時から八日午前六時までの間とみられる。

 坪池区長の水上尚司(なおし)さん(67)は「用水はため池が頼り。稲作に影響が出る」と不安を隠さない。「何十年もなかったこと。地震の影響があるのでは」と五日の地震との因果関係を疑う。

 近くで観測された八日午前八時までの二十四時間雨量は九六ミリで、国の公共土木災害の基準(八〇ミリ)を上回った。市内ではこのほか、同市鞍川の市道鞍川霊峰線ののり面が全長十三メートルにわたって崩れ、通行止めとなった。九日に大型土のうを積んで復旧にあたり、整備終了後に片側通行に切り替える。

 

今回の遠出の直前、5月5日に能登半島を中心に大きな地震ありさらに大雨が降りましたから、ぎりぎりまで状況によっては旅行の中止もやむなしと悩みながら北陸地方のニュースを追っていました。

それでも、やはり地元でなければ知り得ないニュースがありますね。

 

災害の後に再び作物を作るまで数年はかかるのだろうかと心が痛みながらも、決壊したため池の断面の写真に、何十年も決壊しないようにため池の堤を築き補強していく技術があるからこそのニュースかもしれないと思えてきました。

 

全国津々浦々の水田が健在な風景は、何世紀にもわたって災害から立ち直り、ため池や用水路を守る技術を培ってきたからこその風景ですね。

 

それにしても実際にため池を守るためにはどんな生活があるのでしょうか。

知らないことばかりです。

 

 

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