落ち着いた街 38  高岡の静かな朝 

散歩の1日目高岡駅のそばに宿泊しました。前回はたしか朝日が昇る方向の部屋でしたが、遠出をするようになって駅の様子や列車が走行しているのを見ることができそうな建て方のホテルでは、そちら側の部屋を予約するようになりました。

 

4時に目が醒めると、5月中旬はもううっすらと明るくなっています。

駅前に立っている大友家持の像がはっきり見えています。前回高岡を訪ねたとき、街中に「大伴家持」「万葉集」をよく見かけたのですが、古文はだいぶ忘れていたのでそのままにしていました。今回は布勢水海の歴史から、ただの歌人ではなかったことを知りました。

没後1196年後にその像が駅前に建てられたようです。

 

人の気配のない駅のロータリーをずっと眺めました。5時を過ぎた頃、駅周辺を掃除する方々が現れました。制服を着ているわけではないので、ボランティアでしょうか。

少し離れたビルの窓ガラスに朝日が反射し始めました。

富山湾から日が昇るのでしょうか。日本海側に宿泊するとどうしても方向感覚が混乱するようです。

朝日に輝く富山湾は、あの琵琶湖の西岸から日の出を見た時のような光の道のように神々し風景でしょうか。見てみたいものですね。

 

 

少しずつ車が増えてきましたが、6時を過ぎてもぽつりぽつりと人が歩いている静かな朝の風景です。

始発の万葉線は6時15分で、これを見たかったのでした。真っ赤な車体が静かに河岸段丘の坂を下り、先の交差点で右折して見えなくなるまで追いました。

ホテルの厚いガラス窓越しに、カラカラという走行音が心地よく聞こえました。

周囲の「少しでも速く動きたい」という焦りを抑えてくれるかのような、あの路面電車のゆっくり進むスピードがいいですね。

 

ああ、満足。

もう一度この万葉線が走る風景を見たかったのでした。

本当に落ち着いて良い街ですね。

 

 

 

 

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