食べるということ 94 「ランチする」のが夢

遠出をするとなかなか時間がなかったり歩き疲れてたくさんは食べたくなかったりで、お昼を食べないことがほとんどです。

それでも、散歩中は風景を眺めながらおにぎりを食べるだけでも充実した時間です。

今回の散歩の初日もおにぎりところかお昼ご飯は食べられないかもしれないというスケジュールでしたが気持ちが満たされているので大丈夫です。

 

仕事中となるとまた別で、三十数年ほど、医療関係の仕事をしてきたのですが、体によい食べ方とはほど遠い毎日と書いてからさらに7年、仕事中に落ち着いて食事を摂ることはなかなかないものです。

唯一、1980年代半ばに難民キャンプで働いていた2年間だけは朝からカフェやベトナム料理をのんびり食べて出勤したり、昼食後の昼寝で夢のような充実の食事時間でした。

 

どの職種もあわただしい昼食時間かもしれませんが、テレビでランチを外に食べに行く姿が映し出されると、「うらやましいなあ」と思います。

職場からきっちりと離れられ、温かいできたてのご飯を食べることに集中できる。

 

私の人生では無縁だった昼食の風景です。

 

うらやましいと思いつつ、日頃はカットの消費税ぐらいかかる一食分をなんとか節約しなければと思うのに、みなさんあのお昼ご飯代をどうやりくりしているのでしょう。

 

そして待つ人の行列ができるのも落ち着かないし、まして新型コロナ以降は客さんが少ない時間を選んでいるのでなかなかこの昼食を外食する機会がありませんでした。

散歩や遠出の途中だと11時から14時までにお店にたどり着くこともなかなかできず、美味しそうと思うメニューを見てもあきらめていました。

 

ということで、最近「ランチのために散歩をする」という新しい目的ができました。

あちこちを歩いているうちに、ランチメニューが楽しそうです。

種類もあって小鉢もいくつかついて800円から1000円前後ですから、他で節約することにして、お昼ご飯にお金をかけてみることにしました。

といっても、月に1〜2回の贅沢ですけれど。

 

ちょっと早起きをして、早めから歩き始めてふらりとランチタイムにお店に入る。

周囲のみなさんはお仕事中でしょうが、私はほぼ散歩のゴールですからお昼からちょっと飲みます。夜とは違ってサッと飲んで食べてお店を出ます。

 

お昼時にはこんなに活気がある街なのかと、また違った風景も見えますね。

お店や味とともに、また地図が立体的になる楽しさです。

 

40年ほどのお昼ご飯と人生を取り戻そうと、地図を眺めています。

今度はどこに行きましょうか。

 

 

 

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