散歩をする 476  近鉄長野線と近鉄南大阪線の車窓の風景を見ながら奈良へ

真っ黒な雨雲に追いかけられながら無事に狭山池と博物館を訪ねることができました。駅までは雨が強く降っていましたが、空は明るくなり始めていたのでじきに止みそうです。

明日はいよいよ散歩の最終日で、そのためにこの日は奈良で宿泊する予定です。

 

3年半ほど前に、奈良から大阪へ、山と山の間を流れる川をみてみたいから始まった奈良の散歩ですが、周濠と水田が広がりツルボが群集している場所に住んで、奈良の水の歴史を歩きたいと逡巡するまでになりました。まあこれは叶わない夢ですけれどね。

最初はJR線の路線図しか頭の中になかったのですが、奈良は近鉄とJRが同じ方向へ網の目のように通っているので違う風景を見えることができるので楽しいと気づきました。

 

大阪から奈良へ鉄道で入るのにJRだと大和路線だけですが、近鉄線はいくつか路線があることがしだいに見えてきて、いつか全ての路線で奈良と行き来してみたいと思っていました。

 

大阪と奈良を結ぶ近鉄の路線は、北側から「けいはんな線」「近鉄生駒線」、「近鉄大阪線」そして「近鉄南大阪線」とあるようですが、今回は一番南側の近鉄南大阪線で奈良へ入ってみようという計画です。

 

 

南海線から近鉄南大阪線へ*

 

 

近鉄南大阪線に乗るには、まず狭山池博物館がある南海高野線大阪狭山市駅から河内長野行きに乗り、河内長野駅近鉄長野線大阪阿倍野行きに乗り換えて古市駅に行く必要があるようです。

これだけで大混乱ですね。

乗り継ぎの時刻表はネットですぐにわかるのですが、駅名と行き先を間違えてしまうと奈良から遠ざかってしまいそうです。

 

15時54分の南海鉄道河内長野行きの列車に乗りました。沿線にはところどころ水田が残っています。金剛駅のあたりからぐんとのぼりになって日本家屋の住宅が増え、水田から畑の風景になりました。千代田駅では駅前に工場が見え、地図ではこのあたりもため池が多いようです。

そのまま高台を走り、16時4分河内長野駅に到着しました。南海線の改札を出て近鉄長野線のホームへ入ると、どうやらこの辺りは石川の河岸段丘に建っているようです。石川は大和川の支流で北へと流れながら、柏原駅の東側で大和川へと合流しているようです。

それまでの蒸し暑さが嘘のように、ホームでじっと列車を待っていると肌寒く感じました。

 

16時16分近鉄長野線阿部野橋行きに乗りました。奈良へ向かうのに行き先名が大阪方面なので、途中で乗り過ごしたら不安になりますね。

しだいに下りになり、滝谷不動駅の手前から石川に沿って水田が見え始めました。

このあたりで「渓谷のような風景が終わった」ような印象があったのですが、もしかするとWikipedia石川「地質学」に書かれていることが理由でしょうか。

同じく羽曳野丘陵の隆起と河川争奪の影響で河岸段丘が生成されるようになり、流域上の富田林市・河内長野市では特に顕著に見られることから段丘地形を利用した集落が作られた。また現在の街並みにも大きく影響している。

 

富田林のあたりからは、石川の右岸側に美しい水田地帯が広がっているのが見えました。線路が通る左岸側は、河岸段丘の崖が近く感じますがそこにも水田があります。

「石川」の歴史にこんなことも書かれていました。

 

1649年(慶安2年)、寺々池が造られ、河内長野市北部に寺々池を水源とした水路が作られ始める。

地図で確認すると、あの南海線千代田駅の工場の近くにある寺ヶ池のことで、17世紀からの水路と左岸側の水田地帯の風景を見ていたようです。

また歩いてみたい場所が増えました。

 

 

*古市から近鉄南大阪線で奈良へ*

 

2分遅れで16時54分に近鉄古市駅に到着し、ここで近鉄南大阪線橿原神宮前行きに乗り換えました。

古市のあたりも周濠のある古墳がたくさんあります。いつか歩いてみたいものです。

 

すっかり雨も上がりました。石川を渡り、水田や果樹園がみえ、上ノ太子駅のあたりから古い灰色の屋根瓦の家々が増えてきて奈良が近づいたように感じました。

県境の山の間を抜けると奈良盆地が低い位置に見え始めました。奈良に入ると屋根瓦の色合いが揃っているようです。

半年ほど前に歩いた二子山のあたりが雨上がりの日差しで輝いています。水田、ため池、お寺、竹林、整然とした奈良盆地の風景です。

「帰ってきた」気持ちになりました。

 

17時27分に橿原神宮前駅に到着し近鉄橿原線大和西大寺駅に乗り換え、また懐かしい風景を眺め続けました。

尼ヶ辻駅から見える周濠に、あの向こうには行基さんのお寺があることも今回はすぐに思い浮かべました。

 

18時9分に大和西大寺駅近鉄奈良線に乗り換えました。

車窓に、雨上がりの夕日に輝く平城宮大極殿院が見え、急に自分が生きているのか夢なのかわからなくなるような感覚になりました。

 

いよいよ明日は、1年前に見つけられなかったものを探しにここを歩きます。

 

 

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