記録のあれこれ 215 四万十川のすごい世界

30年来の憧れの川を訪ねる直前に、NHKの「さわやか自然百景」でその名前があり録画しておきました。

 

先日、観ました。ゆったりと蛇行して流れる美しい川面と周囲の折り重なるように続く山々、そして静かな集落と田んぼ、いつもは「ながら」なのに真剣に観て1時間があっという間でした。

これぞNHKという感じ。

映像の美しさも素晴らしいのですが、あの予土線の車窓から見えた風景に「こんな世界があったとは」と惹き込まれたのでした。

 

どうやってあの山の形と川の流れができたのだろう。知らないことばかり。

あの山々を歩き尽くして生活した人たちたいる。

静かな集落と田んぼ。そこで生まれそこで生きる。羨ましい。

ヤマセミという鳥がいるのか。カワセミもいる。オオルリ

東南アジアなどから繁殖で渡ってくる鳥がいる。

ヤマガラヤイロチョウ、「八色鳥」と書くのか。東南アジアから繁殖のために高知県など限られた場所で繁殖、推定150羽、絶滅危惧種。よくその鳥を観察し見つけて映像に収めたものだ。

四万十川流域は野鳥の楽園。200種類以上。

田畑と集落しか目がいかなかったけれど、そこにはたくさんの動植物の生活史がある。

高い鉄橋の上を静かに予土線が走る。誰があの線路を整備してくださっているのだろう。

わずかの時間なのにすごい番組。いやすごい世界があるからこそ。

人間なんてちっぽけ。

サワガニ、何かを掴んでいる。美しい姿。下を向きながら木を上っている。そうなのか、なぜ落ちないのだろう、すごい!。

紫陽花、シダ、鳥の声はアカショウビン。これも東南アジアから繁殖のために渡ってくるカワセミの仲間。どうやってそれを分類するのだろう。

飲み込んだら窒息しそうな大きな種を飲み込んだ。背中にちょっとだけ緑色が見えた、あれは何?

ブッポウソウ、初めてその姿を見た。「森の宝石」東南アジアから繁殖でくる。

確かに、羽を広げた時の鮮やかさがパプアニューギニアの極楽鳥に似ている。

 

紅葉樹や針葉樹が入り混じる四万十川の森。うっそうとして太陽の陽が入り込まない。その湿度と落ち葉が30種類ものミミズを生み出し、これが野鳥の楽園をつくる。

クロツグミトラツグミ、足で落ち葉を揺らして驚いて出てきたミミズを捕食する。映像では尾を揺らしている方に目がいったのだが、実際には「足踏み」をしていることでミミズをおびき出している。

なぜそこにミミズがいるとわかるのだろう。細い鳥の足なのに、なんと自由なのだろう。

オスの縄張り争い、あんなに広い森なのに。

 

雨が川面を叩くように降っている。美しい。水蒸気が上っている。雨もまた美しい。

ヤイロチョウの巣作り、苔や松の葉。巣作りはオスとメスの共同作業。3日から5日で完成する。途中でミミズを食べ、松の葉をくわえて重そうに飛んでいる。カワウを思い出した。

 

梅雨、夜の水辺を彩る生き物がいる、ゲンジボタル

電気が当たり前の時代だけど、昔の人はあの点滅する光が神秘だったことだろう。成虫の寿命2~3週間程度。満点の星とゲンジボタルのあかり。

梅雨明け間近の四万十川。カケス、毛虫?を食べている。アオゲラ

ヤイロチョウの飛翔、後ろからみた模様が円になって美しい!

生きているミミズを何度もついばんで小さくしてたくさんくわえて巣へ戻る。重いだろうに、疲れているだろうに。楽をしようとかない世界。

ヤイロチョウ、夏が終わる頃東南アジアへ飛び立つ。

 

梅雨には雨が多い、年間3000ミリ。東京の2倍の雨。豊かな雨水は深い森を育む。

森をバックにした雨の映像も美しい。

森はひときわにぎやかになる。カエルたち。

木の葉の下で雨宿りするシジュウカラの幼鳥、ほんと木があるだけで濡れないものだ。親鳥が餌を運んでくる。幼鳥はしっかり枝を掴んで静かに待っている。大きさは親鳥とほとんど変わらないのに。

 

予土線と棚田も美しい!人の営みもまた美しい。

四万十川というのはその鳥や虫や植物の世界も含めた流域なのだ。

 

車窓から見た風景に、こんな世界があったとは。

思わず映像を見ながらメモをし続けました。

四万十川だけでなく、それぞれの地域にすごい世界がある。

 

そしてこうした世界を見逃さずに観察し、分類し、記録し続ける方々の世界もまたすごいと、圧倒されたのでした。

 

 

 

 

 

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