言葉の意味

出産の正常と異常について考えたこと 4 <正常分娩急変時のガイドライン>

助産所業務ガイドラインというものがあります。 2004年から始まって、5年毎に見直しをするということで現在は2009年の改訂版のようです。 助産所業務ガイドライン2009年改訂版 http://www.midwife.or.jp/pdf/guideline/guideline.pdf (現在は「2014年版」に…

出産の正常と異常について考えたこと 3 <「正常」の変遷>

明治時代に入って助産を担う産婆の教育が始まった時点からどのように妊娠・分娩の「正常」と「異常」が定義されてきたか、そしてどのような変化があったのか、これまで何回か紹介してきた「女性学年報第31号」(日本女性学研修会、2010年)の木村尚子氏の…

出産の正常と異常について考えたこと 2  <思い込みの「正常」>

「終わってみないと正常かどうかわからない」のが出産だという当たり前のことに気づくのに、私自身が20年近くかかりました。 数年前に周産期医療はどうなるのだろうと不安で医師ブログを読むようになって、その中でみつけたこの表現に頭を殴られる感じでし…

助産師の「開業権」とは何か 10  <母乳相談の功罪>

助産婦学校を卒業した当時は開業することもいいなと思っていましたが、たくさんの妊産婦さんや新生児と接するうちに独立して開業することはあり得ないと思うようになりました。 心のどこかにはまだ開業への思いは残っていたのだとは思いますが、分娩で開業す…

助産師の「開業権」とは何か 9  <更年期相談>

時代の変化、医療の進歩によって看護業務の内容も範疇も格段に増えました。 看護職としてどこまでが業務として許されているのか、法的根拠というのはなかなか明確にできない部分があります。 たとえば、ちょうど10年前の2002年(平成14年)、厚労省医政局…

助産師の「開業権」とは何か 8   <家庭分娩>

開業助産婦というと「昔からの」と枕詞がつくように長い歴史があるような印象がありますが、助産所自体が1950年代にできたものであったり、前回までの記事であげた開業助産の業務の中の「乳房マッサージ」のように案外最近になって始めたことがけっこうあり…

助産師の「開業権」とは何か  7  <乳房マッサージの歴史>

<乳房マッサージはいつから開業助産所で行われているのか> タイトルに「乳房マッサージの歴史」と大仰な表現を入れましたが、正直なところいつからどのように助産師の中で行われているのかは勉強不足でよくわかりません。 1980年代に出版された桶谷式乳房…

助産師の「開業権」とは何か  6   <母乳相談・乳房マッサージ>

<乳房マッサージの法的根拠とは> 最近は街を歩いていてもいたるところに「○○マッサージ」の看板がありますが、ここ数年「代替療法」を調べている中で初めてこのマッサージという表現に法的な規制があることを知りました。(医療従事者としては不見識で恥ず…

助産師の「開業権」とは何か  5  <助産所業務と料金>

<助産師業務料金> 開業するからには、事業を継続するだけの収益をあげていく必要があります。 助産所にはどのような業務内容に対して、どのような料金設定がされているのでしょうか。 日本看護協会の「助産師業務要覧」に2008年までの「助産師業務料金の例…

助産師の「開業権」とは何か 4 <助産所数の推移と分娩以外の業務><追記あり>

<助産所数の推移> 前回の記事で実際に分娩を取り扱っている助産所数を把握するのが難しいと書きましたが、分娩を取り扱っていない開業者数は「国民衛生の動向」で調べられるようです。 手元に国民衛生の動向を持っていないのですが、看護協会の「助産師業…

助産師の「開業権」とは何か 3  <全国の助産所数と分娩件数>

<全国にどれくらいの助産所があるのか> 数年前に琴子ちゃんのお母さんのブログ「助産院は安全?」に出会ってから、自分自身が助産師でも助産所がどのくらいあるのか実際にどのような業務を行っているのかよく知らないことが多かったので、助産所について調…

助産師の「開業権」とは何か 2  <開業権と開業届け>

<開業権=助産所開設なのか> 看護職の中で唯一独立開業できるということですが、開業権とはどのような定義か、開業とはどのような定義で具体的にどのような業務内容か、どのような法的根拠あるいは法的規制があるか、開業の業務内容を具体的に誰がどのよう…

助産師の「開業権」とは何か 1

<助産師は看護職の中で唯一独立開業し、助産業務を自立して実践できる> 私が助産婦学校(当時は助産婦)で印象に残っているのは、「助産婦は開業権がある」「正常なお産は助産婦だけで介助できる」ということでした。 深く考えることなく自分の職業の誇り…

言葉の意味を問い直す

私が助産師になった二十数年前に比べて、周産期医療あるいは出産育児の話題の中で使われる用語がとても多くなりました。 医療の進歩に伴ってあるいは社会の変化に伴って、概念が変わったり新たな表現を必要とする場合もあると思います。 あるいは状態や処置…