刻々と変化していく渋谷駅周辺ですが、通過するたびに「何が変化しているのだろう」と眺めています。
山手線と埼京線・湘南新宿ラインのホームが並列になって、あの数分ぐらいコンコースを歩かなくて良くなり、乗り換えが本当に便利になりました。
半年ほど経って、すでにずっと以前からこの風景だったような錯覚に陥るほどなじんできました。
線路をのぞきこむとまだ仮の土台のままで、あの重い列車が1日に何百本と通過するレールを支えています。
ホームのある高架橋の下には国道246が通過している部分もあるので、もし重みに耐えられなくなったら・・・とちょっと怖くなりますが、そこにはどのような安全対策と技術があるのだろうと、すごいことだと思いながら眺めています。
ある日そのレールのそばに、「重量2トン」と書かれた1mぐらいのウインチのような物が置かれるようになりました。かなり重いものを線路内に運んでいるようです。
そして少しずつ表面がコンクリートや砂利で固められて、本当の線路らしい部分ができ始めています。
近くのビルの10階ぐらいまである巨大なクレーンは日中は稼働している様子を見たことがないのですが、終電後から始発までのあいだにあれでここに置いたのかと想像したのですが、どうなのでしょうか。
さらに外回りと内回りの間にできる広いホームの基礎工事が少しずつ始まっているし、あの一時ごっそりと渋谷川の河岸段丘がなくなった場所も、今度は段丘のようにビルの基礎部分の工事が始まっています。
地図でみても、渋谷駅と周辺の工事現場は半径数十メートル内なのですが、さまざまな機械が入り、とても高度な工事が行われているようです。
今年7月19日には新宿駅でも東西自由通路ができましたが、長いこと工事現場の横を通過していたのですが、ある日突然こんな工事が行われていたのかという姿が現れました。
膨大な人が通過する場所を魔法のように変えてしまうのですから、本当にすごいことですね。
以前だったら、「工事中の場所は不便だな。早く便利にならないかな」ぐらいにしか感じていなかった風景ですが、工事現場を毎日のように眺めていると、大きな事故もなくこうして工事が進んでいくことが驚きです。
そしてもし事故が起きれば、どれだけ高度で複雑な工事がどのような安全対策とともに行われていたか、どれだけその事故が起きる確率は低いことだったのかも理解されずに、「仕事なのだから気をつけるのは当たり前でしょう。責任はどうとるのか」という批判に晒されるのだろうなと、自分の仕事と重ね合わせて胃が痛くなるのです。
事故に遭遇することは理不尽ですから納得できないのは仕方がないですが、何にしても「うまくいって当たり前」という気持ちに普段からならないように気をつけなければと、この工事現場をみながら仕事に向かうのです。
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