「会話する時にはマスクをつけて」は言い換えれば、「マスクをしていなければ喋らない、唾を飛ばさない」なのですが、簡単そうで難しいのでしょうか。
最近では一歩家を出るときからマスクをつけっぱなしの生活ですが、唯一外すのが泳ぎに行った時です。
水着に着替え終わるまでギリギリまでマスクをつけ、泳ぎ終わったらまだ多少体が濡れている状況でもすぐにマスクをつけています。
それぐらいしないと、更衣室やプールでマスクを外した時の行動を変えられない人がけっこういることに驚きます。
至近距離で喋りかけられたり、咳をされることもしばしばです。
連れがいる人はやはりおしゃべりがやめられないようですし、一人で来ている人でも、なんだか人恋しいのか話しかけられたりされます。マスクをしていない状況で。
一人で泳いで、一人で過ごすことができない人、マスクをはずした時の行動を変えられない人がけっこういるのですね。
このあたりが難しいから、この感染症はなかなか収束しないのだろうなと感じているのですが、どうでしょうか。
*対応策には力が入る*
この一年間、いろいろな「思いついた感染症対策」がニュースになって、そのたびにそれはむしろ危険なのにと思うこともしばしばありました。
私が一番危険だと感じたのは、昨年3月ごろでしょうか、新生児にフェイスシールドをさせるというニュースでした。
たしかタイの病院で始めたと記憶していますが、アナウンサーが「かわいい〜!」と反応していたので、どうか日本では広まりませんようにと本気で祈りました。
効果よりはリスクの方が高いのでしょう。その後も周産期医療の中では話題にもならない方法でした。
この場合にはそれをした場合としなかった場合を検証する方が、せっかく無事に生まれて来た新生児を危険に晒すことになりそうと容易に想像できますからね。
それ以外にも空間除菌とか消毒薬噴霧とか、「良さそう」というイメージで広がっていくものも多かったですね。
先日も、電車内でアルコールを座席にシュッシュと吹きかけている小学生を見ました。
「1990年代前半までは、病院でも白衣や病室にアルコールをシュッシュとしていたけれど、その後標準予防対策によって意味がない方法になったのよ」と思わず声をかけそうになって、飲み込みました。
いつ頃からか家庭での除菌スプレーが広がり、この一年でも「うちでは対策をしています」と消毒薬を大量に噴霧するニュースを見かけるようになったので、なんだか効果がありそうと思う人が増えたのかもしれませんね。
結局は、昨年2月にはすでに厚労省から出されていた感染症への対応方法を基本に忠実に実施し、さらに今回はマスクの有効性がわかり、つばが飛ぶのを防ぐあたりまで対応方法が整理されたと理解しています。
でも世の中を見ると、何が危険で何が効果があるかが逆になっているようにしばしば感じるこの一年でした。
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