散歩をする 435 阿南市の桑野川沿いを歩く

取水堰は行けなかったのですが、念願の那賀川那賀川北岸用水を見ることができました。

古毛(こもう)児童公園バス停から「なかちゃん号」というコミュニティバスがあり、羽ノ浦駅周辺をぐるぐると廻りながら牟岐線北側の北岸用水が潤している水田地帯を通って那賀川を渡り、阿南駅方面へと行くようです。

 

阿南市のどこを歩こうかと地図を眺め始めた時には、まず那賀川と桑野川が河口で合流している珍しい地形に目が行きました。

その先に中洲を埋め立てたような「辰巳」という地域がくびれた瓢箪のようにつながっています。

もしかすると今の那賀川の河口付近も放水路で、旧河道は別のところにあったのでしょうか。それで現在は那賀川と桑野川が河口で合流するという不思議なことになっているのだろうかと想像しましたが、頼みの綱のWikipediaにも旧河道については書かれていません。

 

もう一つ目に入ったのが、阿南駅の東側数百メートルのところから1kmほど流れるまっすぐな川(水路)が南へと直角に向きを変え、海岸線と牟岐線の間を南下して阿波橘駅の近くで海へと流れています。打樋川は「うてび」川と読むようですが、河口近くに「大潟」町があり昔は島だったような場所が散在していることと「樋を打つ」ということから干拓地ではないかと思いましたが、こちらも少し検索したぐらいではわかりません。

 

実際に歩いてみると、高低差や風景や道端の案内板などで見えてくるものがあるのですが、残念ながら二泊三日では時間が足りませんでした。

 

あの那賀川北岸用水取水堰のあたりからこの打樋川のあたりまで阿南市のようなので、散歩をするにはあまりに広すぎました。

 

 

*桑野川沿いを歩く*

 

せっかくですから、阿南駅周辺も歩いてみたいものです。

桑野川が河口へと大きく蛇行している場所に目が行きました。富岡という場所で、北西からは岡川が合流しています。きっと小高い場所ですね。

堤防沿いに三石神社と、新開神社がありました。「新開」といえば干拓の歴史があるかもしれません。

ここを歩いてみようと思いました。

 

15時12分に古毛からのコミュティバスに乗り、すでに水鏡になった水田地帯や立派な農家の集落をぐるぐると回り、切り通しを通ると少し小高い場所に突然大きな団地が現れました。「春日野団地建設の碑」が見えました。ゆったりとした敷地で、やはり昭和40年代後半に開発されたようです。

ぐるっと回ったあと、五ヶ村用水や那賀川北岸用水が複雑に流れる平地に戻り、広々とした水田地帯を走りました。このあたり田んぼの中に祠やお墓を建てる風景がありました。

那賀川を渡り、桑野川をいったん渡って阿南医療センターへと立ち寄ったあと別の橋で桑野川を渡り富岡西高校前で下車しました。

 

桑野川右岸の堤防沿いに歩き始めると、堤防の下に三石神社がありました。御由緒は分からなかったのですが、女性が参拝に来ていました。散歩をするようになって、あちこちの小さな神社で必ずといって良いほど地元の方に会います。みなさん、何を祈り、何を思うのでしょう。

 

堤防の上の道に戻り歩いていると、先ほどの阿南医療センターへと向かう最初の橋が堰だったことがわかりました。

その手前に取水口があり水路が西から東へ阿南駅の方へと流れ、その近くに寺社が集まっているようです。

 

静かな桑野川の水面です。しばらくすると岡川との川合が見えました。対岸の堤防も高さがありました。

 

ここから桑野川はぐいと東へと向きを変え、それまでのんびりと歩いていた遊歩道が県道27号でぶっつりとなくなりました。横断歩道へは150mほど歩かなければならないでしょうか。車が途切れたら渡ってしまおうと待っていると、選挙カーが止まってこちらに候補者さんが歩いてきました。応援だと思われたのでしょうか。

「ごめんなさい。県外なので」というと何も言わずに引き返していかれました。

 

全国各地に遊歩道が整備され始めたのですが、幹線道路を数百メートルくらい行き来しないと反対側の遊歩道の続きへ行けないとか忽然と遊歩道がなくなることがしばしばで、ぜひ歩行者が歩きやすい道をお願いしますと選挙カーを追いかけたくなりました。

 

ふたたび穏やかな桑野川の流れを見ながら歩くと、少し小高い場所が見えました。新開神社がある場所です。もしかすると水の神様かもしれないと期待して、いったん堤防を降りて参道へと向かいました。

急な坂道に古い石段の参道で、鬱蒼とした木々の中にお社がありました。再建の碑がありましが残念ながらかすれてしまって読めませんでした。

地元の方が参拝するためでしょうかお社のそばに椅子があり、休ませてもらい助かりました。

 

いったん堤防から離れて駅周辺の街を歩いたあと、牟岐線の線路の北側の堤防へと向かいました。

「ここの地盤は海抜2m」とあり、3~4mぐらいの緑の土手が続いています。

土手に上ると、山の方からのゆったりとした水面が河口の方へと流れていく桑野川が一望できました。

 

土手の周辺には鮮やかな黄色のフリージアが咲いていて、良い香りが漂っていました。

最近お花屋さんから姿が消えてしまった大好きなフリージアと美しい川や水路、阿南市を訪ねたのは大正解でした。

 

 

 

 

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