9月28日にニュースで認知症の話題があり、「高齢者」ではなく「幸齢社会」と書かれていてなんだか嫌な予感がしました。
マイナンバーカードが任意から強制され、従来の健康保険証が廃止される理由もうやむやにされ、また次々とつじつまが合わないから強権的に進める政策で生活が混乱しても煙に巻かれそうな予感と、「幸齢社会」なんて今まで医療や福祉関係では耳にしたこともない造語がどこからきたのだろうという疑問です。
今まではそれなりに政府に信頼があったけれど、あの日以来、政治の変なことが見えてきました。
認知症になった方やそのご家族、そして生活を支援する方達が積み重ねてこられた経験から、よりよく生きて死を迎えるために社会はどうあるのかという葛藤がまったく感じられない言葉ですね。
どうしてこんな滑っとした言葉が次々と出てくるのか不思議です。
そうか、ユーチューバーとか活動家のように、総理大臣もリアリティのない仕事の一つになったのかと思いました。
検索したら、首相官邸のサイトに本当に「認知症と向き合う「幸齢社会」実現会議」が書かれていました。
認知症と向き合う「幸齢社会」実現会議
令和5年9月27日
令和5年9月27日、岸田総理は、総理大臣官邸で認知症と向き合う「幸齢社会」実現会議を開催しました。
会議では、構成員プレゼンテーション及び意見交換が行われました。
総理は、本日の議論を踏まえ、次のように述べました。
「本日は、認知症と向き合う『幸齢社会』実現会議、初めての会合を開かせていただきました。認知症の方ご本人及びその御家族など、様々な関係者の皆様方に御参加いただきました。そして幅広い立場で構成員の皆様から貴重な御意見をいただきましたこと、心から感謝申し上げます。
皆様方のご意見は、今後、十分に政策等に反映させていただきたいと思っておりますが、本日はひとまず3点申し上げさせていただきたいと思います。
まず第1に、一昨日、レカネマブが薬事承認されました。これは画期的な新薬であり、認知症の治療は新たな時代を迎えました。しかし、治療対象の患者が限られているなど、課題もあります。まずは、新薬へのアクセスや投与後のモニタリング等が適切に確保されるように、必要な検査体制、また医療提供体制の整備について、厚生労働大臣に検討を進めてもらいたいと思います。
そして第2に、治療薬の開発、これは引き続き推進する必要があります。
国際競争が激化する中、我が国のリードを広げるべく、認知症・脳神経疾患、研究開発イニシアティブについて、健康・医療戦略担当大臣において具体的な検討を進めていただきたいと思います。あわせて、高額医薬品について、国民皆保険の持続性とイノベーションの推進の両立の観点から、薬価制度の改革を含めた対応を、厚生労働大臣を中心に検討してもらいたいと思います。
そして3点目は、岸田政権では安心して歳(とし)を重ねることができる『幸齢社会』づくり、これを進めてまいります。身寄りのない方を含め、認知症になったとしても安心できる、このためには、身元保証等の課題、これを解決していかなければなりません。厚生労働大臣において、実態把握、そして課題の整理、これを進めていただきたいと思います。そしてそれとともに、官房長官を中心として、課題解決に向けた省庁横断の体制、これを構築させていただきたいと思っています。
そして今日、これ以外ににも、様々な貴重な御意見や御指摘を頂きました。
今申し上げた3点に限らず、緊急的に対応すべきものについては、来月をめどに経済対策をとりまとめることにしておりますが、その中にも、ぜひ反映させたいと考えております。
引き続き、構成員の皆様から御意見を伺い、年末に向けて議論を深めていただき、認知症基本法の施行に先立って意見の取りまとめを行いたいと考えておりますので、今後とも構成員の皆様方及び関係大臣におかれましては、御協力をお願いいたしたいと思います。
改めて、今日も御協力いただきましたことに感謝申し上げます。ありがとうございました。
(強調は引用社による)
なんだ、新薬のためのプレゼンのようなものではないですか。
「健康・医療戦略担当大臣」なんてあるのですね。
認知症が政治家のコマとして使われたという感じ。
「生老病死」のリアリティを感じられない「幸齢社会」という言葉ですね、あの「人生会議」と同じく。
そして本当にカッコづきで、首相官邸のサイトに掲載されていました。
シュールですね。
「幸齢社会」ってなんですか?
そんな会議をお膳立てするような人たちは、どういう人なのでしょう。少なくとも現場で葛藤している人ではなさそうです。
現実の問題から目をそらせて、ふわりとした言葉にしたがる人たちが増えましたね。
「シュールな光景」まとめはこちら。