食べるということ 12 <夜は軽く、家で料理をしない>

以前、犬養道子さんの「ラインの河辺ードイツ便り」を紹介しました。


この本を初めて読んだ1980年代初めの頃、もうひとつ印象に残っているのが、ドイツあるいは北欧の国々では夕食がチーズとハム類だけの簡単な夕食が多いということでした。
これなら、仕事帰りに買ってそのまま食べるだけで済みます。


そして、当時、日本人がドイツで家を借りることが嫌がられていたことのひとつに、「家で料理をするので台所が汚される」「生ゴミをたくさん出す」というようなことも書かれていて、所変われば常識もかわるものだと印象に残りました。



日本ならきちんと食事を家で作ること、特に夕食は家族で囲んでたべるのできちんと作ることが、「よいこと」なわけですから。
そして欧米というと豪華なデイナーというイメージですし、どの国でも夕食が一番豪華だと思っていました。


子供のころからの生活習慣が、朝は軽く、昼と夜はおかずも何品かあってしっかり食べるメニューでしたから、このドイツの生活を読んで「朝までおなかが持たないのではないか」ということのほうが当時は気になりました。
まだ20代でしたから、いつもお腹がすいていましたからね。


<夜は軽く、家では料理をしない・・・へ>


最近は、この夜は軽く、そして家では料理をあまりしない生活に近くなりました。


段階的な変化ではあったのですが、10年程前に引っ越した家が、それまでの家に比べて台所周辺の換気が悪いことがひとつの大きな転機になりました。
他の点ではとても使いやすい家なのですが、料理をするとにおいが籠りやすいことが難点でした。


このあたりから、家で魚料理と揚げ物をやめました。
ちょうど、近くのお店でも焼き魚や揚げ物を手頃に買えるようになったので、多少割高でも買うようにしたところ、台所周辺の汚れかたもかなり減り、さっとそのつど拭く程度でよくなりました。


「家で自分で料理しなければ」と、以前は食材を買い込んだり冷凍しても、疲れて帰宅して結局使わなくて捨てることも多かったのですが、最近は冷蔵庫の中も必要最小限のものだけになりました。
生ゴミ類が激減しました。


疲れた時には無理してまで自分で作らずに、おいしく調理されたものを買って帰って美味しく食べる。
そのほうが無駄が出なくなりました。


年齢的にも、夜は軽くすませるぐらいでちょうど良くなりました。


願わくば、あの東南アジアの屋台のように、朝から美味しい料理が気軽にテイクアウトできるといいのですが。




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