渋谷駅周辺を通ると、「ずっ〜と工事中」かと思うような風景です。
定点観測というほど大仰でもないけれど、同じ場所を見ていると結構変化していることが見えてきました。
ひとつは、今はまだ恵比寿駅側よりにある湘南新宿ライン・埼京線のホームが、少しずつ山手線のホームのある場所へと移動し始めています。
ふと気づいたら、近い将来は山手線のホームと並列する予定の湘南新宿ライン・埼京線のホームの土台ができ始め、屋根ができています。
こうした工事の進捗状況を見る機会なんてなかなかないので、時々写真をとっているのですが、私には何がどう進められているのかさっぱりわからないけれど、複雑にいくつもの工程が同時に行われているらしいことだけはわかります。
さまざまな形の鉄骨のパーツが組み立てられ、大小無数のボルトで固定されているのを見るだけで、あのボルトの止め方ひとつでも正確に実施されるための知識とか経験とかがあるのだろうなと眺めています。
もうひとつは、渋谷駅のホームの恵比寿側の端の方にいくと、桜丘のあたりがすでに更地になっています。
このあたりは、40年前に看護学生だった頃からよく歩いていた場所で、つい最近まで同じような風景が残っていました。
2年ほど前から山手線に沿った場所一帯の移転が始まり、建物が解体のための防御壁で覆われ、ここ半年ほどは解体が終了してその現場をホームから眺めることができます。
桜丘は渋谷川の河岸段丘だったのだとはっきりとわかる、なかなかこの機会ではないと見られない風景になっています。
更地といっても傾斜しています。
まるであの「渋谷の記憶」という写真集の、セピア色の写真そのものの地形が目の前にあります。
ほぼ解体が終わった頃から、今度は測量をしている様子を見かけるようになりました。
「少しずつ4、5階建のビルや高層ビルに覆われて、いつの間にか昔のなだらかな丘だったことも、川に沿って急峻な地形があったことも多い尽くされていった都内の風景」ですが、こうして見ると、こんな傾斜の多い地形によく正確にビルを建てていったものだと驚きます。
半世紀ほどで、渋谷の風景が当たり前のように都会の風景になっていったのですが、そこにはどれだけの仕事が関わっていたのでしょうか。
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