散歩をする 538 長尾まで琴電の車窓の散歩

美しい讃岐富士と鎌田(かまだ)池を見ることができて満足し、12時51分に坂出駅から高松行きのマリンライナーに乗りましたが、けっこうな人が乗っていました。

 

車窓からは斜面に田んぼが見えますが、7月初旬なのにまだ代掻きも終わっていません。

昨年4月に徳島と香川を訪ねるためにここを通過したときには、たしか青々と麦畑が広がっていました。

これから田植えの準備に入るのでしょうか。

 

コブのような双子の山が見えてぐんと東へと向きを変えて、13時5分に高松駅につきました。

お腹が空きました。駅の近くのお店で柚子のかおる天ぷらうどんを食べて元気になり、懐かしい駅前の海水池を眺めて満足して、高松城の近くの琴電の駅へと向かいました。

 

今回の散歩の目的に書いていなかったのですが、琴電の3路線を制覇することもありました。

 

 

長尾線の終点まで行き、引き返す計画*

 

最初にこの長尾駅が目に入ったのは、北へ2kmほどのところにある琴電志度線の「造田(ぞうた)駅」で、いかにも「田んぼがある」地名のそばに何本かの水路が合流していき、南側の山の方にはため池が並んでいます。

そして吉野川の水が財田で分水されてここまで送られていることを知りました。

 

琴電の3路線を制覇したい」と書くと、きっと鉄ちゃんなら「行き止まり路線を制覇したい」となるのでしょうけれど、私の場合は田んぼとため池と香川用水を追っていたらこの3路線に重なって、長尾駅から造田駅までどんな風景があるのか見てみたくなったのでした。

 

ただ、今回は猛暑なので長尾駅まで行って引き返し、最終日に志度線に乗って造田の風景を眺めることにしましょう。

 

 

琴電長尾線で長尾駅へ*

 

高松築港駅を出発し瓦町駅長尾線へと分かれてからも、ずっと市街地の風景が続きます。

ようやく元山駅手前から田んぼの風景が見られるようになりました。田んぼの隅のパイプラインから勢いよく水が入っています。あの水も吉野川から来た水でしょうか。

東へと向きを変え川を渡るとその名も「水田(みずた)駅」で、予想外の高架橋の上でした。田んぼは少なさそうでしたが、代掻きをしているのが見えました。

 

西前田、高田と「田」がつく沿線に田んぼが増えていき、「学園通り」駅を越えたあたりから途中下車してみたくなるような美しい田んぼと集落の風景です。

香川らしい円錐形の山があり、ため池の堤防と水路も美しい風景です。

井戸駅のそばにはイチジクの青い実が見え、祖父母の田畑を思い出しました。

 

ここにもまた整然とした美しい水田が健在です。

そして整然と水田があるためには整然とした水の流れとその管理があるからこそで、130年ほど前の「山を越えて水を通す」という夢が叶った風景ですね。

 

 

*「小さな発見、大きな驚き」*

 

40分ほどの車窓の散歩が終わり、長尾駅に到着しました。白い、明治時代の洋風建築のようなおしゃれな駅舎です。

駅のそばを歩いてみようと思いましたが、30mほどで暑さのためにあきらめて駅に戻りました。

 

「歴史と自然の散歩道 小さな発見、大きな驚き」という長尾駅周辺の案内絵図があり、けっこう名所名刹があるようです。

その中に「行基苑(からふろ)」を見つけました。

ここでまさか行基さんに出会うとは。

絵図なので正確にどの場所かわからなかったことと、一歩たりともこの暑さの中を歩けそうになかったので、残念ですがまたいつかの宿題にしましょう。

 

また電車が入ってきました。

淡いクリーム色と緑の車体が涼しげで美しいですね。

14時55分、このまま今日の散歩をやめるかどうか、もったいない気がしてきました。

 

 

*おまけ*

Wikipedia長尾線の説明を読むと、「終点の長尾駅のすぐ東には四国八十八箇所長尾寺があり、当寺への参拝路線の性格を持っていたが」と書かれています。

地図を見直すと、ほんとあと数十mほど歩いたらお寺がありました。猛暑で頭がくらくらして見逃してしまったのは残念。

 

 

 

 

「散歩をする」まとめはこちら

行基さんのまとめはこちら