散歩をする 281 散歩とリスク比較

「リスク比較」という言葉を初めて知ったのは、10年前の放射線被曝の混乱からでした。

 

公害問題から環境という言葉が定着した半世紀ほどを振り返ると、1996年のダイオキシン問題も同じような状況だったのですが、当時はまだ「リスク比較」という言葉を耳にしたことはなかったし、情報の広がり方がゆっくりだったので、「何が危険か、何が大丈夫なのか」見極める時間もありました。

ただこの頃は、マスメディアで大きく取り上げられたことや正義と理想から運動をする人たちの声が全体像のように見えてしまっていました。

 

放射線被曝の時には、そこまで恐れることはないのにと思うような言動が広がり、反対に今回の新型コロナウイルス感染拡大ではもう少し唾を飛ばさないように慎重にすればと思うのですが、初めて遭遇する状況では何を恐れ、何を大丈夫と思うかの個人差が大きいことで混乱するのかもしれませんね。

 

実は、2回目の緊急事態宣言の最中に、2回ほど遠出の散歩をしました。

ずっと感染者数と重症者数、医療機関の状況を見ながら、「今なら大丈夫」「こうすればリスクが少ない」と出かけるタイミングを見計らっていました。

 

本当はお正月の人の少ない時期に静かに回って見たい場所がありましたが、都内では年末から数百人台の感染者数になり、これは年明けには大変な数になりそうと思ったら2000人台になり、1月8日から2回目の緊急事態宣言になりました。

 

当初は2月7日まででしたから、2月中旬か下旬にはその場所を訪ねようと思っていたのですが、今回は冬場ということもあってなかなか感染者数、重症者数が減りませんでした。

そして周囲にも発熱する人が出てきたので、とても都県境を越えて出かける状況ではなくなりました。

そして2月21日には、緊急事態宣言が3月8日まで延長されることが決まりました。

 

ただ2月中旬になると、都内の感染者数が500人を下回り、200人台の日が出始めました。

このまま減るのかと期待したら、そこからは数字が動きません。

これはきっと、しばらくこのままか、3月4月にまた人の移動や交流が増える時期に増える可能性がありそうです。

そういえは、昨年6月11日に東京アラート解除後に、むしろ徐々に感染者数が増えたということもありました。

 

今なら新幹線やホテルも空いていて、むしろ混雑を避けられるかもしれない。

ほとんど人が歩いていないような場所を訪ね、食事も一人で黙々と食べますから、繁華街に出かけたり大勢の人がしゃべっている中で食事をするよりは感染のリスクは低いだろう。

そう判断して、2月下旬に出かけたのでした。

 

 

まあ、言い訳と言えば言い訳なのですが、出かけるのにもこんなに葛藤があった年の記録ということで。

 

決めたら即実行。

前日にホテルを予約し、みどりの窓口でサクサクとチケットを購入し、10分ほどで旅の準備をしたのでした。

もう何度も考えていた計画ですから。

 

 

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