鵺(ぬえ)のような 5 「勝利よりも大切なことがある」

「オリンピックの是非」と「スポーツ大会を安全に開催すること」は別のことなので、オリンピック競技での感染を抑えながら開催したことは関係者の皆様の大変さは相当なものだったと思います。

ただ、「健康に」というスポーツの目的のひとつを考えば、次回は感染症拡大時には延期が答えではないかと思いますね。

 

録画予約を忘れそうになった競泳ですが、偶然予約したものに1500m女子自由形決勝がありました。

あのレデッキー選手の空を呼ぶような泳ぎをずっと見続けることができました。

 

「五輪=競泳のレデッキー『勝利よりも大切なことがある』」(2021年7月29日、ロイター)という記事がありました。

競泳女子1500メートル自由形で金メダルを獲得したケイティ・レデッキー(米国)は28日、人生には大切なものがあると強調し、東京でのパフォーマンスには満足していると述べた。

これまで15もの世界タイトルを獲得してきたレデッキーだが、金メダル以外の成績は失敗や失望を意味するという考えは的外れだと指摘。「誰にも同情してほしくないし、金メダル以外は残念だと思ってほしくない。それよりも人生に本当に苦労している人々のことを心配してもらいたい」と話す。 

 

ああ、すごいなあ、これがやはり息の長い選手になった経験からきた言葉だと思いました。

 

 2016年リオデジャネイロ五輪で4種目の金メダルを獲得したレデッキーは、連覇を狙った女子200メートル自由形ではまさかの5位に終わった。

レデッキーは記録更新への決意は天恵であると同時に呪いでもあるとして、「過去の実績が自分へのプレッシャーとなる。常にベストを尽くし、今まで以上の結果を出そうと努力している」とコメント。「自分を追い込み、文字通りレースごとに私はベストタイムで泳げると自分に言い聞かせていた。それはとてもタフなことだと話した

まだ2種目へ出場予定のレデッキーは、金メダルが持つ力について「子供たちが入院している病院を訪ねた時、負傷した兵士にあった時、金メダルを見せると彼らの顔はパッと明るくなる」として、誰かを笑顔にできるというのは、私にとって何よりも意味のあること。私は金メダルが本当に欲しいし、そのチャンスをまた得たい」と話した。

 

おそらくこのインタビューの核心は、過去の実績のプレッシャーからベストを尽くした結果を誰からも同情されたくもないし失敗だと思いたくないという点ではないかと思いますし、その姿勢が他のつらい状況にある人を理解できるようになったことではないかと思います。

私もほんと、気持ちを切り替えて向かっていく国内外の競泳の選手の皆さんの泳ぐ姿からたくさん得ることがありましたからね。

 

ですからインタビュー最後の「金メダルが持つ力」とか「誰かを笑顔にできる」という話を切り取ってインタビュー内容をまとめたくなることが、やはり社会に鵺のように広がるオリンピックの魔物であって、むしろそれへの異議申立てだったように私には読めました。

 

 

 

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